校長先生の式辞です。
- 公開日
- 2018/03/13
- 更新日
- 2018/03/13
学校の様子
(せっかくのなので全文を載せます。卒業生の皆さん、折に触れ読み返してくださいね。)
厳しい冬の寒さもようやくやわらぎ、日に日に春の気配が増す、この佳き日に、多くのご来賓の皆様、並びに保護者の皆様のご臨席を賜り、平成29年度、第44回、卒業証書授与式を挙行できますことに、心から感謝申し上げます。
ただ今、卒業証書を授与された212名の皆さん、卒業おめでとう。
また、保護者の皆様におかれましても、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。本日の晴れ姿に、感慨もひとしおと存じます。また、今まで、本校のために、多くのご支援とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、卒業生の皆さん、卒業証書は、中学校三年間を終了し、同時に九年間の義務教育を終了したこと示しています。それはちょうど、皆さんが子どもから若者へと成長する歩みと重なります。
これから皆さんが生きていく時代はどのようなものなのでしょうか。様々なことに思いをはせると、やはり、「絆」という言葉に行き着きます。
情報があふれ、コミュニケーションの形が変化していくこれからの社会では、積極的に、人と人とが心をつないで、力を合わせていくことが、ますます大切になってくるからです。
北陵中学校では、様々な活動を通じ「絆」を、つちかうよう頑張ってきました。
「盛岡で一番の学校にしよう!」そういう声がこの北陵中できこえるようになったのは、いつのころからだったでしょうか。
それは優勝旗や賞状の数だけでなく、そこに込められた気持ち、心意気で一番をめざそうという事でした。
たとえば、最後まであきらめない気持ち、仲間を信じきる決意、一瞬に全力を注ぐ気力、そういうもので盛岡で一番を目指したのです。
皆さんはそれをよく理解して学校を支えてくれました。特に今年は、先輩を引き継ぎ、大きく飛躍した姿を見せてくれました。
体育祭では、気持ちがバラバラな状態から、苦労して絆を深め、最後は各組団が団結し、大いに盛り上りました。勝った組も負けた組も、お互いにそれぞれの良さを認め合う姿が印象的でした。
中総体やコンクールでは、3年間の成果を全力で発揮し、北陵中のすごさを示してくれました。そして、多くの部が県大会に出場し、東北大会、全国大会へと駒をすすめました。
市中陸上では、選手の皆さんは懸命に頑張り、応援は、どこよりも大きく、粘り強く、まとまっていました。それは明らかに他校を凌ぎ、市内のたくさんの先生方から賞賛されました。
北陵祭は、どの学級も、その仲間でしか創れない、それぞれの思いのこもった合唱を披露し、始めから最後までずっと感動が続く、幸せな時間を過ごすことができました。
そして、10年ぶりの学校公開では、生まれ変わった北陵中の姿を示すことができました。
「学校に流れる明るい雰囲気」「良い授業にしようと協力する姿」そして「小中で力を合わせたアトラクション」は、岩手県内外から集まった先生方や教育委員会の方に、大きな驚きと感動を与えました。
様々な行事を乗り越えるたびに、大きな達成感が学校を包み、団結がより深まっていったように思います。大きな行事の次の日は、あいさつの声が大きくなり、いつも以上に、学校中が笑顔と笑い声に包まれました。
もちろん問題もたくさんありました。とても悩んだ人もいます。しかし、苦しい中でも、解決に向け前進することはできたと思います。その経験は、これからの人生にとって、必ず力になる貴重なものだと確信しています。
頑張ったことでも悩んだことでも、皆さんは、確かな成果を残してくれました。私は、そんな学校にしてくれた皆さんを、とても誇りに思っています。
最後に、北陵中の校歌について話し、終わりたいと思います。
私はこの歌詞を初めて見た時びっくりしました。まず心に響くほんとうに美しい歌詞に驚きました。そして、その中に、普通校歌には使われない、負のイメージを持つ言葉が含まれていたことにとても驚きました。
1番には「闇」、2番には「古い」そして3番にはなんと、「迷いの森と怒りの海」
この校歌は、きれいごとを並べただけではない、しかし、心からの願いが込められているものだと思いました。
人生は「闇」や「古い」ものを背負い、時には「迷い苦しみ」時には「心が怒り狂う」 それでも歯を食いしばり、力を合わせて前進していくものなのだと教えてくれます。
そして、その先にあるのは、それはそれは美しい「あけぼの」なのです。
この歌は「北陵中の本当の姿」、他校にはない「北陵中のプライド」を表しています。
卒業生の皆さん、これから新しい道を歩むとき、北陵中で過ごした日々の、元気と明るさを忘れず、それぞれの「あけぼの」を目指して進んでいってください。
そして、できることなら、自分の周りにいる人たちを「あけぼの」に導く、そんな強い人になってくれることを願います。
君たちの人生に大いなる幸あれ。
以上をもちまして、北陵中の伝統を大きく発展させてくれた212名の卒業生に、心からの感謝と、はえある前途をお祝い申し上げ、式辞といたします。
平成三十年三月一三日
盛岡市立北陵中学校
校長 早 坂 將