放送による全校朝礼の様子つづき、
写真は、上から順に3年A組・B組・C組の様子です。
どの教室も生徒たちは、体育着登校、マスク着用(可能な限り不織布マスク)と夏休み中の変更にもかかわらず、対応してくれていました。
朝礼では、学校再開にあたり、私から以下の内容を伝えました。
おはようございます。
42日間の夏休みを終え、新たな気持ちで学校生活を再開する日ですが、今日は、初めに残念なお知らせを伝えなければなりません。
すでに、3年生は、配信メール等で連絡を受けていると思いますが、明日から予定されていた2泊3日の修学旅行を中止せざるを得ない状況となりました。
つづきは、「 おりたたみ記事・ここをクリック 」に掲載いたしました。
校長:高田勝喜
6月に予定していた修学旅行を延期し、なんとか実施できないかと、3年生の先生方を中心に対応してきましたが、デルタ株という新型コロナウイルスの変異株が猛威を振るう中、10代、あるいは10歳未満の感染者が急増し、訪問先の京都にも「 緊急事態宣言 」が発令されました。感染を覚悟で、一か八かの賭に出て実施するべきか、中止の判断をするべきかと大変迷いました。
君たちの中にも、オリンピックや甲子園はやっているのに、なぜ、修学旅行は中止になるのかと、不満や矛盾、やるせない気持ちでいる生徒がいることも理解しているつもりです。
また、コロナウイルスによって1年半以上、たくさんのことを我慢し、学校での活動に自粛を強いられている学生、とりわけ3年生の辛い気持ちを考えるとたいへん申し訳ない思いでいます。
しかし、修学旅行中に感染し、たとえ1人でも、重症化したり、後遺症に苦しむ生徒が出てしまうことや無症状のまま感染し、その後、家族に感染を広げてしまう恐れなど、リスクを払拭することができません。そして、みなさんの家族の中には、ワクチンを打てない人や高齢の方と同居している家庭もあります。
将来ある3年生を、そして、その家族を危険にさらすことはできないと判断しました。
「理解してください。」とは言いません。しかし、今日から始まる学校生活の中では、前を向いて、やれることに先生方と共に一生懸命取り組んでくれることを願っています。
さて、話は変わりますが、現在パラリンピックが開催されています。夏休み中にオリンピックやパラリンピックをテレビ観戦した人も多くいることでしょう。
これまでの『オリンピック・パラリンピック教育』を通じて、様々なことを学んできたことと思います。
近代オリンピックを復興させた、いわゆる「オリンピックの父」と言われる人が誰だったか、思い出せますか。
そうです。「クーベルタン」、思い出した人、聞いたことがあるという人もいるでしょう。フランス人のピエール・ド・クーベルタン男爵です。
では、現在行われている「パラリンピックの父」と呼ばれる人を知っていますか?
それは、イギリスの医師、「ルートヴィヒ・グットマン博士」と言う人です。
グットマン博士の残した言葉の中に「失ったものを数えるな。残されたものを最大限生かせ。」と、パラリンピックの精神を端的に表した言葉があります。
私は10年ほど前に右足の一部を切断する大きな手術をしました。その後、車椅子での生活をし、数カ月のリハビリを行い、立って歩けるようになりました。今でも右足には、金具が入っているため走ることができません。
飛んだり跳ねたり走ったりすることが大好きでしたが、残念ながらやれることに制限がかかりました。
しかし、立ち上がることができない状態から歩くことができるようになったとき、そして、今も生きていることに大きな喜びを感じています。 できなくなったことを嘆くのではなく、できることを楽しむようにしています。
グットマン博士の言葉「失ったものを数えるな。残されたものを最大限生かせ。」
できなくなったことではなく、今できることに目を向ける、パラリンピックの精神は、コロナ禍の今の逆境を乗り越える力になるのではと考えています。
少し長くなりましたが、以上で私の話を終わります。