本日、「 令和6年度 第78回 入学式 』を挙行いたしました。
入学式・卒業式を何度も実施してきましたが、過去の記憶にないほど強い風雨の中での入学式になりました。
しかし、体育館の中は、大勢のご来賓の皆様(悪天候にもかかわらずご臨席いただきありがとうございました)、そして、在校生全員が参列し、温かい雰囲気に包まれました。
(昨年の入学式は、まだコロナ対策のため、人数制限等を取りながらの実施でした)
新入生の皆さん、そして、保護者の皆様。改めて本日はおめでとうございます。
強い雨風の中での入学式。校長式辞で述べたように、『 同じ状況や環境をどのように捉えるかは、ものの見方・考え方次第です。』
本来、校庭に立てるはずの看板でしたが、主事さん方が飛鳥ギャラリーに2か所設置し、満開になった鉢植えを並べてくれました。
少しお待たせすることにはなりましたが、「 歴史と伝統ある飛鳥中 」最初の日、記念に残る写真が撮れたでしょうか? きっと今日の天候を忘れることはないでしょう。
( 写真:中・下は、加工してあります )
入学式での「 校長式辞 」は、「 校長式辞・ここをクリック 」に掲載いたしました。
校長:高田勝喜
出会いと喜びの春を感じるこの佳き日に、希望に満ち溢れた新入生98名を迎えることができ、たいへんうれしく思います。
本日ここに、第78回入学式を挙行するにあたり、公私共にご多用の中、本校PTA会長 米林 剣馬 様をはじめ、多数のご来賓並びに保護者の皆様方にご臨席賜りましたこと、学校を代表いたしまして心より御礼申し上げます。
ありがとうございます。
さて、新入生のみなさん、入学おめでとうございます。
今日は、歴史と伝統ある飛鳥中学校の一員として、新たな一歩を踏み出す日になりました。
中学校生活始まりの日にあたり、ここにいるみんなで一緒に考えたい話をします。それは、「南の島の出来事」というお話です。
昔、ある靴の会社がありました。自分の会社で作った靴を海外に輸出しようとしています。そこで、2人の社員を南の島に派遣しました。
ようやく島に着いた2人の社員は、びっくりする光景を目にしたのです。
何と、その島に住んでいる人たちは、みんな裸足で生活をしているのです。
もし皆さんが、社員なら、この光景を見て、どのように思いますか・・・。
しばらくして、一人の社員から国際電話がかかってきます。
「社長、残念な報告です。この島の人は誰も靴を履いていません。最悪の島です。」
その後、もう一人の社員から電話がかかってきました。
「社長、素晴らしいところです。この島の人はまだ誰も靴を履いていません。最高の島です。」
2人の社員は、どうして全く反対のことを言ったのでしょうか。
最初に連絡してきた社員は、島の人たちも当然靴を履いていて、自分の会社の靴なら、きっと売れるだろうと考えていました。ところが、予想と異なる現地の様子に困惑し、無理だ、売れない、ピンチだと思ったのです。
2人目の社員は、この島の人は誰も靴を履いていないので、みんなに買ってもらえるチャンス、新たな可能性があると考え、「最高です。」と連絡してきたのです。
同じ状況や環境でも、そこにチャンスを見出すかどうかは、その人のものの見方や考え方次第といえます。
これから迎える学校生活も同じです。
新たな友達や先生との出会い、新しい授業や活動のはじまりなど、新しい環境にはたくさんの可能性とチャンスがあふれています。一方で、予期せぬ出来事に出会うこともあるでしょう。
そんな時、誰かが、自分に何かをしてくれることを待っているだけでは、学校生活は有意義なものにはならないでしょう。
中学校は、君たち自身が主体となり、成長する場です。そして、自らの行動で未来を切り拓いていく力を育てるところです。
チャンスを見逃さずに、積極的に行動し、成長していく飛鳥中生であってください。
改めまして、保護者のみなさま、お子様のご入学誠におめでとうございます。
みなさまにとってかけがえのない大切なお子様を、確かに飛鳥中学校でお預かりいたしました。
これからの世の中は、今の社会情勢を見てもわかるように、どのように変化していくか想像がつきません。だからこそ、どんな状況にも柔軟に対応できる力が求められます。
先ほどの南の島の話ではありませんが、誰も靴を履いていないから売れないという固定観念に縛られないことが大切です。
前例のないことにも、挑戦しようとすること。そのためには、目の前の状況を分析し、課題を見つけ、解決策を考え、対処できる力が必要となります。
飛鳥中学校の教職員は、全力でお子様の成長のために支援してまいります。
しかしながら、学校だけで目標を達成できるものではありません。保護者の皆様と学校が、子どもを育てる大人の責任として、協力し合うことが、何より大切であると考えています。
これからの3年間手を携え、共に子供たちの成長を見守り、支えていけますようお願い申し上げます。
結びにあたり、本日ご臨席賜りましたご来賓のみなさまに、厚く御礼申し上げますとともに、今後とも地域と学校が一体となり、子どもたちの健全育成と夢の実現に向け、ご支援・ご協力いただきますようお願い申し上げます。
新たなスタートの日を迎えた新入生一人ひとりの輝く未来を信じ、3年間の中学校生活が充実したものであることを願い、式辞といたします。
令和6年4月9日
北区立飛鳥中学校長 高田 勝喜