学びの上所小学校では記憶のアップを図る勉強方法を工夫しています
- 公開日
- 2014/06/06
- 更新日
- 2014/06/06
校長室
おはようございます。運動会、よくがんばりましたね。疲れはとれましたか。カレンダーは6月になりました。運動会でたくさんのことを学んだように、6月もたくさんの学習をしてください。また、雨の多い季節になりますが、四つ葉児童会のスローガン「あいさつのある・楽しい・きれいな・じまんのある学校」にするために、湿気を吹き飛ばしてください。爽やかに過ごすには、実はお掃除が一番です。
さて、私たちは、学習活動を通していろいろなことを記憶します。記憶には個人差があります。しかし、記憶は努力次第でかなり高めることができます。
今日のお話は1.2年生には少し難しいかもしれませんが、聞いてくださいね。
◆事例1 試しに次の数字を暗記してみましょう。
149162536496481
この数字を丸暗記しようとするととても大変です。私は丸暗記によって一ヵ月後にこの数字を正確に想い起こす自信はありません。しかし、別の方法によって暗記すれば、1年後でも正確に書き出すことができます。実は、この数字は、1×1、2×2、3×3、4×4、5×5、6×6、7×7、8×8、9×9という規則で成り立っています。この規則を理解すれば、この数をいつでも書き出すことができます。この方法のポイントは「知識」(正確には既有の知識)を利用することです。
実際、この方法は、かけ算などの数学の知識を使って、暗記する方法です。
◆事例2 次に〔課題1〕と〔課題2〕を見てください。
〔課題1〕と〔課題2〕は、「兄は足が痛い」などの事実にその理由が記されているか否かにおいて異なっています。例えば、〔課題1〕には、「兄は足が痛い」と事実だけが記されていますが、〔課題2〕には、兄は足が痛い(100M走で膝をすりむいたから)と事実と理由が記されています。
〔課題1〕
・中学生の兄は足が痛い
・幼稚園の妹は歯が痛い
・小学生の私はのどが痛い
・母は体がだるい
・父は腰が痛い
〔課題2〕
・兄の運動会に家族で行きました。運動会を終えたその日、家族についての話です。
・中学生の兄は足が痛い(100M走の時、ひざをすりむいたから)
・幼稚園の妹は歯が痛い(お菓子を食べ過ぎたから)
・小学生の私はのどが痛い(大声で応援したから)
・母は体がだるい(朝早起きをして弁当を作ったから)
・父は腰が痛い(綱引きでがんばり過ぎたから)
そこで、「事実だけが記された文」と、「事実とその理由が記された文」ではどちらが記憶しやすいのでしょうか。
実際に、〔課題1〕を40名のグループAに読ませ、〔課題2〕を別の40名のグループBに読ませます。そして1週間後に80名をテストし、グループAの平均点とグループBの平均点を比較します。
すると、結果は、グループB——事実と理由が記されている課題を読んだグループ——の成績が格段に高くなります。事例2からわかることは、「理由」と一緒に覚えることによって覚えやすくなる(記憶が促進される)ということです。
◆2つの事例からわかること
事例1と事例2から次のようなことが分かります。
・規則がわかると覚えやすくなる(事例1)
・「理由があると(わかると)覚えやすくなる(事例2)
◆おわりに
規則や理由がわからないまま暗記することを「丸暗記」と言います。事例1で見たように丸暗記には苦しいものがあります。
そこで、何かを覚えようとするときには、そこに規則がないか調べてみて、できるだけ規則を使って覚えることが有効です。また、できるだけ「理由」を考え、「理由」と一緒に覚えるということが有効です。
記憶を高める効果的な勉強方法を提案します。今日から心がけてください。
・丸暗記よりも「わかる」を心がけましょう
・きまりや理由が言えなければ、自分の「わかる」は不十分と考えましょう
・きまりを利用して覚えましょう
・理由と一緒に覚えましょう
お話は以上です。1.2年生もお勉強したことをしっかりと覚えて、忘れない工夫をしてみましょうね。6月の教室のようすを楽しみにしています。
文責;校長 遠藤英和