笑瀾万丈9 新任教師 Web 公開
- 公開日
- 2024/03/12
- 更新日
- 2024/03/23
志水 廣:自己紹介・書籍紹介 笑瀾万丈
☆新任教師
昭和49年、神戸市の下山手小学校に赴任した。四年三組の担任としてスタートした。33名だったと思う。
新任教師は何もかも初めてのことだらけである。授業するのも初めて、学級経営も初めて、保健の健康検診も初めて、家庭訪問も初めて、部活も初めて・・・。本当に初めてだらけであった。
数学科を卒業したので、子ども達をなんとかして算数好きにするぞという思いで教壇に立った。そのための工夫はいろいろした。教室の後ろに面白パズルを毎日貼ったり、計算練習のカードが良いと聞けば、それを手に入れて練習したりした。
毎日が教材研究の連続であった。前日に教材を頭に入れて次の日に、吐き出すといった自転車操業であった。教材研究ノートを作って、授業の流れと板書をまとめて授業に望んだ。自宅に戻って教材研究するのであるが、あっという間に夜中になった。ところが、十分に教材研究したつもりでも、理科の指導書を完読したつもりでも45分間の授業が、もたないのである。授業の後半をいかに、もたせるかが課題であった。算数の時間は問題量があれば45分間はもった。反対に、時間が足りない教科があった。国語や社会科である。これらは指導書通りにやっていると、とても足りない。しかも、指導書にのっているような素晴らしい考えが出ないのである。国語の理想的な授業とは何かは、なかなか分からなかった。
そんなこともあり、教育書はかなり買って読んだ。「教育技術」は毎月購読した。また、学級経営事典を購入して何かしら工夫すべきことはないかと、どんどん試していった。
毎週、土曜日の夕方、部活が終わって元町に出て、日東館という書店に行って教育書コーナーに行き二、3冊の本は購入した。体育の本、理科の本はもちろん、算数の本と片っ端から読んだ。最近の若手教師が本を読まないのには全く驚く。教師に知性がないと、子どもにダイレクトに影響する。これを自覚していない若手が多い。
そのうち、毎日、教材研究するのではなく、日曜日にまとめて教材研究をするようになった。夕方からは時間があるからたっぷりできた。それでも、25時間分の教材研究は並大抵ではできない。水曜日までくらいの計画は立てた。だから、木曜日の授業はかなりきつかった。