72 波乱万丈 〇つけとの出会い
- 公開日
- 2024/06/19
- 更新日
- 2024/06/19
志水 廣:自己紹介・書籍紹介 笑瀾万丈
☆○つけとの出会い
翌年のことであった。都築先生が三年生を担任し、授業診断することとなった。
授業の冒頭が衝撃的であった。13÷3のあまりのあるわり算を扱う授業であった。まず、黒板に12÷3を書いて復習した。これを都築先生は机間指導で子ども全員に○をつけられた。確かに本時の復習には12÷3は必要である。
○つけ?
何をするのか?
なぜ、○をするのか。
37人も子どもがいるのだから時間がかかるぞ。
飽きてしまうぞ。授業がだれてくるぞ。
こんな否定的な言葉が頭の中に次々と出てきた。
そんな私の心の声もおかまいなしに、都築先生は淡々と○つけをしている。しばらくして、ふっと子どもの表情が見えてきた。にこにこしている。どの子もにこにこしている。
もしかしたら、この方法はいいのかも・・・。
都築先生は、37人をわずか2分間もかからないで○つけをされた。私の指導観がぐらついた。都築先生に授業診断で質問した。
「どうして冒頭に○つけをされたのですか。」
「私は、どの子もわかる・できてほしいのです。みんなの学びをそろえたいので復習して確かめたいのです。だから、○つけします。」
なるほどと思った。