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物語4 「算数教科書の定義・定理(性質)事典」 玉置崇先生の感想

公開日
2013/09/20
更新日
2013/09/21

志水廣:書籍紹介

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愛知県小牧中学校長の玉置崇先生から突然、メールがきました。
紹介させていただきます。

「志水先生

玉置です。お世話になります。

新刊「算数教科書の定義・定理(性質)事典」を購入し、読み終えました。
感想を少々お伝えします。

書名に「事典」とありますので、必要に応じて検索して、定義や定理を確かめるための本、
という印象を持つ方があるかと思いますが、まずは通読すべき本だと思いました。
また、中学校数学教師の必読書だと思いました。
というのは、この書籍にまとめられている定義は、中学校数学でけっこう口にすることだ、
口にして論理的に授業を進めるべきだと感じたからです。
6年間の算数授業を受けて中学校数学をするわけですので、当たり前といえば当たり前なのですが、
この書籍を読むことで、小学校では何を定義として学習してきているのかを明確につかめます。
自信をもって話すことができます。
例えば、p87の第3学年の定義では、次の記述があります。

<定義>1つの頂点から出ている2つの辺がつくる形を角という。
<定義>三角形には3つの角がある。角をつくる2つの辺の開き具合を角の大きさという。

中学校数学においては、時には、次のように教師は発するべきだと思うのです。
「角は2つの辺がつくる形を言いましたね。この角の大きさ、つまり開き具合ですが、どれほどでしょう」
といった具合です。
それを「ここ何度、ここの角」と言うように教師が話していたのでは、生徒の言語力も論理的思考も育ちません。
言語をもとに思考するわけですから、いい加減では、まさにいい加減な授業になってしまうということです。
「なるほど、角の大きさを測るのではなくて、開き具合を比べてみたのですね。
開き具合を直接比べてみれば大小関係はわかりますね」
といった説明を自信をもってできるということです。
とても良い本に出会うことができました。授業をやることができる立場でないのがとても残念です。

以上です。}

玉置先生、感想をありがとうございました。
よくぞ言ってくれたという感じです。中学校の数学教師も読むべき本です。
小学校の内容が明確に分かっていますと、中学校でも自信をもって教えることができます。
小中連携はお互いに教える内容の知識を得ることから始まります。

玉置先生のプログ 「三楽の仕事日記」
http://www.enpitu.ne.jp/usr9/98434/diary.html