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○つけ法の理論の概略

公開日
2008/08/11
更新日
2008/08/11

算数・数学授業:志水メソッド総括 ○付け法、意味付け復唱法、音声計算、適用問題定着法など

☆志水式○つけ法の理論 


0.○つけ法の精神
 (1)子ども全員が「わかる」「できる」授業を保障することである
1.○つけ法の勧め
 (1)○つけ法とは何か
   ・子ども一人一人に対して赤ペンで○をつけていく方法である。
   ・志水流は出前方式。
   *教卓方式とは異なる。
   *出前方式でも教卓方式と同じになることがある。
   ・目標は全員に○をつけることである&;「できる」ことの保障である。
   ・○つけ法は指導と評価が一体化する技法である。
   ・導入での復習や適用題の場面では30人3分間で○つけ可能。
   ・自力解決では7分間で30人の○つけを目標。
   ・部分肯定の精神でする。
 (2)○つけ法をなぜするのか
   ・算数の特性から。
   ・脳科学の立場から:声かけの重要さ:人称が消える。
   ・認知心理学の立場から。
   ・カウンセリングマインドの立場から。
   ・形成的評価。
 (3)○つけ法のよさ
   ・子どもの立場から:達成感,認知,称賛。
   ・教師の立場から:つまずきに即時指導。
   ・教室の空気が一気によくなる。やる気になる。
    教室の場が変わる○つけ法をしよう!
   ・採点の○つけではなく,形成的評価のための○つけでありたい。
   ・少人数指導にぴったりである。
 (4)○つけ法の前に
   ・何に○をつけるのか。
   ・前提条件:9割の子どもが解決への見通しを持っていること。
 (5)○つけ法をするポイント
   ①スピード 正答だと一人5秒,誤答だと一人15秒の声かけが目標である。
    *一人に30秒以上の個別指導すると,授業の集団が壊れる。
   ②正確さ  誤答に○はつけないこと。
   ③声かけ  :声かけの重要さ:声は大きく教室中に広げよう。
   ④実態把握(デジカメのように記憶)
   ⑤判断
 (6)○つけ法が短所になってしまう例
 (7)○つけ法の練習は,適用題や復習題からやってみる
   ・スピードがついたら自力解決に挑戦してみる。


2.自力解決の○つけ法
 (1)自力解決の○つけ法の困難さ:相当難しい。きちんと教材研究して適用題での    ○つけ法の技術を高めてからでないと奨められない
 (2)ワンポイントの○つけ法
 (3)見通しを持つ○つけ法
 (4)実際の解決の○つけ法


3.自力解決
 (1)適用題と自力解決での○つけ法の相違
   <適用題>
   適用題では,問題解決の方法を知っているし,それは決まっている状態である。
   例えば,筆算のひき算の手順をあてはめていって,解決していく。
   つまり,「わかる」の段階は済んでいて,「できる」「身につける」ことに
   ねらいがある。
   <自力解決>
   自力解決では,問題解決の方法はわかっていない。
   各自の解決の見通しにしたがって,解決していくことになる。
それは,正しいかどうかは不透明である。
   子どもの自力解決が成功する場合もあれば,失敗する場合もある。
   正答:多様な方法 誤答:多様な方法,多様な誤答

   これらをぱっと見て判断して,助言の声かけを出していく。
   * もともと新しい内容がはいっている場合は、自力解決そのものが無理である。
   
(2)自力解決での○つけ法の対策
  ① ワンポイントの○つけ法
   ・見通しを正解になっているかどうかを確認する○つけ法
    この方法で,9割の子どもが見通しを持つように高める。
  ② とりあえず3分間頑張って○つけ法をして,その時点で,
    ○つけ法を続行するか,一斉指導に戻すかを判断する。
  ③ ○つけ法がしやすい場所を視覚的に特定しておく。
   ・補助線など
[志水 廣の公式ホームページ] 19.9.27