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校長通信

12月9日(金)夏目漱石100年目の命日

公開日
2016/12/09
更新日
2016/12/13

学校生活

漱石は、1916(大正5)年の今日、49歳で世を去りました。
執筆は約10年で、執筆スピードもゆっくりのため、全作品を読むことは可能です。世の文豪たちの執筆スピードはとても速く、森鴎外は、400字原稿で毎日平均16枚以上、宮沢賢治は、一日で160枚書いたとか。いろいろな研究者が調べています。
さて、私は特に、「こころ」という作品が好きです。人を愛すること、人を敬うこと、友情や師、人間の弱さと気高さ、人間の不条理、何度か読みましたがいつも教えられます。また情景が美しい。この作品がめめしいと批判する方もいますが、なぜ読み取れないか?と残念に思います。
漱石の作品が何度読んでも新しい発見があるといわれるのは、苦悩や夢、笑い、時代への批評眼など、いつの世にも人間が必要とするものだからかも知れません。
 漱石は小説を書き始めた39歳のとき、文学に対する意欲を弟子の森田草平への手紙につづっています。「功業は百歳の後に価値が定まる」「余は吾文を以て百代の後に伝へんと欲する」。この気概はなんだったのか?少なくとも実際、私たちは「百歳の後」の読者であり、幸せなことだと思います。
冬の休みに、ぜひ、一冊読んでみませんか?
こころ、三四郎、坊ちゃん、我輩は猫である、など飛鳥中学校図書館にも、作品があります。
(東京都北区立飛鳥中学校長 鈴木明雄)