本日、放送による全校朝礼を行い、私から生徒たちにメッセージを伝えました。
おはようございます。校長の高田です。
緊急事態宣言が解除され、都内の感染者数も減少傾向にあることから、先日、私は郊外に散策に出かけました。その際、あるお寺の門前の掲示板に飾られていた、次の言葉が目に留まりました。
【 たった一言が人の心を傷つける たった一言が人の心を温める 】
続きは、「校長講話・ここをクリック」に掲載いたしました。
校長:高田勝喜
よく「言葉」の「葉」は、「葉っぱ」の「葉」ではなく、「刃物」の「刃」であるという人がいます。
それは、言葉には人を傷つけるナイフになる危険がある一方で、人の命を救うメスにもなりうるからだそうです。
私が見たお寺の掲示板も、そんな言葉のもつ両極端な2面性を表していたのだと思います。
さて、みなさんは、この言葉を知っているでしょうか?
「ことだま」と読みます。
昔の日本人は、声に出した言葉が現実の出来事に何らかの影響を与えると信じてきました。
良い言葉を発すると良いことが起こり、不吉な言葉からは良くないことが起こると考えてきました。言葉に宿ると信じられた不思議な力のことを「言霊」と言います。
言葉には霊的な力・不思議な力が宿っていると信じてきました。時と場合に応じて、使ってはいけない言葉を決めたりもしてきました。今でもその名残が、身近なところにたくさん残っています。
例えば、結婚式でのスピーチでは、「最後」や「別々」「「分かれる」と言う言葉は、もちろん、「ウエディングケーキを切る」や「披露宴を終わります」なども使いません。
結婚という2人が結ばれ、これから始まるおめでたい席にはふさわしくない、縁起が悪いと考えるからです。そこで、「披露宴を終わります。」ではなく、「お開きといたします。」などに言い換えたりするのです。
受験を控えている3年生や多くの受験期にある人たちも、あまり使いたくない言葉があるのも同様の考えからです。
そんなことはしょせん迷信、非科学的と言ってしまえばそれまでですが、私はそうした言葉に対する畏怖の念は、時代に関係なく大切にしたいと思っています。なぜなら、日本人は、昔から言葉を大切にし、言葉が及ぼす影響を考えてきたからです。
【 たった一言が人の心を傷つける たった一言が人の心を温める 】
皆さんも、誰かの言った一言で、嫌な思いや不快な思いをしたことがあるでしょう。逆に、誰かの言った一言に救われたり、癒されたりしたこともあるかと思います。
それが、言葉のもつ力【 言霊 】なのです。
「あ・じ・み・こ・し」の「こ=言葉遣い」も飛鳥中生に身につけてもらいたいひとつです。
「うざい」「きもい」「死ね」など、これらの言葉は、人に対しては絶対に使ってはいけない、霊は霊でも悪霊の取り憑いた言葉です。
今月は、東京都が定める『 ふれあい月間 』でもあります。
「 おはよう 」や「 こんにちは 」といった心が通い合うあいさつ言葉、「 ありがとう 」「 ごめんなさい 」など人間関係を和ませる言葉、人を励ましたり、思いやったりする言葉を、飛鳥中にあふれさせてください。
美しい言葉を発する人は、その言葉のもつ【 言霊 】によって、自分の心も人の心も、美しくできるに違いありません。
以上で、私の話を終わります。