11月の全校朝会「人権の話」(11/1)
- 公開日
- 2013/11/06
- 更新日
- 2013/11/06
校長室
今日は、「人権」という少し難しいお話をします。それは、この後、横田めぐみさんの映画を観るからです。
私たちには、人間として一人一人が大切にされ、幸せに生きる権利があります。人間として大切にされ、幸せに生きる権利、それが「人権」です。「人権」とは、生まれながらに持っている自分らしく生きる権利です。すべての人が自由を保障され、幸福に生きる権利を持っています。ですから、この「人権」が侵されたときには、法律や国の制度によって助けられることになっています。
すべての人に「人権」が保障されています。しかしながら、残念なことに、私たちの周りには、「人権」が侵され、仲間はずれにされたり、差別されたりしている人々がいるという現実もあります。
人を差別することは、いじめと同じです。「いじめられる側にも悪いところがある」という人が時々います。本当でしようか。人は誰でも完全ではありませんから、悪いところもあるかも知れません。他の人と同じように行動できないこともあるでしょう。しかし、いじめていいということにはなりません。
何か問題があるからといって、その人だけを仲間はずれにしたり、いじめたりすることは、その人が人間として大切にされ幸せに生きる権利を奪ってしまうことになります。もし、悪いところがあって、他の人が困っているのなら、そのことをきちんと丁寧に指摘してやればいいのです。
差別が起こるのも、差別される人に問題があるからではありません。差別する人が、何かを理由にしてその人をばかにしたり、仲間はずれにしたりする、その心が原因なのです。どんな理由があったとしても、その人を差別していいことにはなりません。
人間は一人一人みな違います。それを個性と言います。顔も違うし、声も違う。性格や癖も違います。運動が得意な人もいるし、勉強が得意な人もいます。でも、その違いを理由にして、ある人だけが差別されるのは許せますか。男性と女性は同じではありません。身体の仕組みや働きに違いがあります。肌の色が違う人もいます。それが明らかに違っても、人として大切にされ、幸せに生きられるようにするという点では全く同じです。
身体に麻痺があるとか、目がよく見えないとか、耳が良く聞こえないとか「障がい」のある人もいます。しかし、人間として大切にされ幸せに生きる権利という点では全く同じです。一人一人違う個性を持っているということと、みんな人間として大切にされなければならないということを、もう一度しっかりと考えてみましょう。
障害のある人への差別、水俣病患者への差別、ある部落で生まれた人への差別、外国人への差別。そして横田めぐみさんのように無理やりに外国に連れて行かれて、家族と一緒に幸せに暮らす権利を奪われる。みんな「人権」の問題です。すべての人々の「人権」は大切にされ、守られなければなりません。
文責;校長 森 正司