3月全校朝会講話「春分の日」の話(3/3)
- 公開日
- 2014/03/11
- 更新日
- 2014/03/11
校長室
もう3月です。学校の暦は、1年間の最後の月、まとめの月を迎えました。もうすぐ、3月20日の卒業式がやってきます。
ところで、去年の3月20日は春分の日でした。今年の春分の日は3月21日です。1日違っています。調べてみると、2年前の春分の日は3月20日でしたが、来年は3月21日です。
年によって春分の日が違う。どうしてこんなことが起こるのでしょう。そもそも、学校が休みになる祝日は、法律で決まっているのではないでしょうか。
「国民の祝日に関する法律」を調べてみました。建国記念の日は2月11日、こどもの日は5月5日と決まっています。また、成人の日は1月の第2月曜日、敬老の日は9月の第3月曜日と決まっています。しかし、春分の日は「春分日」としか書かれていません。
では、「春分日」とはどのような日でしょうか。まずは「春分の時間」があるその日です。次に、私たちから見れば、太陽が真東から昇り真西に沈む日。地球から見れば、太陽が赤道の真上にある日です。また、地球上の昼と夜の長さが同じくなる日です。
ところが、この「春分の時間」は1年間に約6時間ずつ遅れていきます。例えば、平成20年は3月20日の17時でした。平成21年は3月20日の23時。そして、平成22年は3月21日の5時。平成23年は3月21日の11時。ところが平成24年は4年に1回の閏年がきて、2月29日が増えました。ですから「春分の時間」は6時間遅れると同時に、1日前の日付となり、3月20日の17時になりました。
このように、「春分の時」が年によって変化するため、祝日となる春分の日も変わってくるのです。
ところで、春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日です。ですから「国民の祝日に関する法律」でも、国民こぞってのお祝いの日とされています。
春分の日の頃から、春の日差しが温かく感じられてきます。冬の寒さに閉ざされていた草木が芽吹き出します。冬眠をしていた動物たちも動き出します。人々もやる気に満ちあふれてきます。
このような時期に、自然をたたえ、生物たちへの慈しみの心を新たにすることは、私たち日本人の素晴らしい知恵だと思います。
また、春分の日の前後3日ずつをはさんだ7日間を「彼岸」と言います。古くから日本では、亡き人を偲び、ご先祖を敬い、仏様に供養を捧げる日とされてきました。
自然に感謝し春を祝福する日。人々もやる気に満ちあふれてくる日。ご先祖を敬い、仏様に供養をする日。このような春分の日の前後に、小学校で卒業式を行うことは、日本人の生活や風習にかなったことだと改めて感じています。
文責;校長 森 正司