2月の全校朝会講話「鍵がかかっていない上所小学校の音楽室」(2/1)
- 公開日
- 2013/02/01
- 更新日
- 2013/02/01
校長室
先日、5年生の小山先生が、こう話されました。
「音楽室の楽器が壊れています。小太鼓です。誰かがいたずらをしたと 思われます。2度と起きないよう各学級で注意してください。楽器は、 みなとても高価です。また壊されるようなことがあったら、音楽室に鍵 を掛けなくてはならなくなります。」
小山先生は音楽の先生です。小太鼓だけでなく、楽器をとても大切にしています。大切な楽器を守るためには、鍵を掛けたくなる気持ちはよく分かります。どう答えたらよいでしょう。私はこう答えました。
「鍵のかかっていない音楽室は、上所小学校の自慢です。上所小学校の 素晴らしさの現れです。残念ながら、前に勤めていた学校は、みな音楽 室にしっかりと鍵が掛かっていました。」
上所小学校の音楽室には、鍵が掛かっていません。なぜでしょうか。
それは、先生方が皆さんを信じているからです。上所小学校の子どもたちは、自分をコントロールできる、良いことは良い、悪いことは悪いと、きちんと判断して行動できる子どもたちだと信じているからです。
例えば、誰かが休み時間に音楽室に入るかも知れない。皆さんだけで、楽器を出して練習するかも知れない。でも、決していたずらしたり、壊したりはしない。例え、練習して壊してしまっても、必ず先生に知らせるし、正直に謝ることができる。そう信じているからです。だから、音楽室に鍵が掛かっていないのです。
これは、音楽室だけではありません。理科室にも鍵が掛かっていません。
家庭科室も同じです。鍵がかかっていません。4年生は体育の着替えのために家庭科室を使いますが、鍵は掛かっていませんね。校舎の屋上の出入り口も同じです。普通の窓と同じ鍵しか掛かっていません。自分たちの判断で屋上へ出ることができます。
上所小学校の子どもたちは、自分をコントロールできる子どもです。良いことは良い、悪いことは悪いと、きちんと判断して行動できる子どもです。音楽室でも、屋上でも同じです。先生方は皆さんを信じています。だから、これまで鍵を掛けてこなかったのです。そして、それが、上所小学校の伝統となっているのです。
そういう良い伝統を、受け継ぎ、守り、残していく。これは、今、上所小学校にいる私たちの役目です。大切で、重要な役目です。6年生を中心に、上所小学校の良い伝統を、受け継ぎ、守り、残していきましょう。そして、しっかりと後輩、次の時代の子どもたちに伝えていきましょう。
文責;校長 森 正司