研究室日記

寺坂君の授業から学ぶ(2018年2月24日愛される学校づくりフォーラムでの授業)(玉置)

公開日
2018/03/19
更新日
2018/03/19

学生の学び

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 2018年2月24日、名古屋で「愛される学校づくりフォーラム」を開催しました。そのプログラムの一つに、玉置ゼミ生である4年生の寺坂友希君が授業をして、アドバイスツールを使っての指導助言(一人は1期ゼミ生の佐藤広樹君)を受けるものがありました。

 そのときの寺坂君の授業には、「とても学生とは思えない!」「あのような学生が学校現場に来ると思うと、私たち現役教員もうかうかしておられない」など、大賞賛の声がたくさんありました。

 指導者(玉置)としてこんな嬉しいことはありません。あの授業を生み出すための寺坂君の水面下の努力は並大抵のものではありません。ゼミで共有したいと思い、私(玉置)から質問を送りました。回答が届きました。ぜひゼミ生はじめ、皆さんで共有化したいと思います。


1 学生であれだけの授業技術が使えるなんて凄い!という声がたくさんありました。あらためて聞きますが、どこでどのようにして学んだのでしょうか。

ゼミで多くのセミナーに参加させていただいたことだと思います。教師力アップセミナーでも多くのことを学べましたが、実際に授業名人と言われる先生方の授業が見れる、深掘りセミナーでの学びが多く出たのではないかと思います。授業の展開だけでなく、先生の言葉をひたすらメモしていたので、切り返しの言葉のレパートリーは多くなったと思っています。

2 当日を迎えるまでにした努力を遠慮なく教えてください。例えば、一人模擬授業を何度もやってみたなど。

恥ずかしいですが、めちゃくちゃ努力して臨んだと思います。今回の授業では、導入をどれだけスムーズ且つ興味を持たせることができるかで、後半の盛り上がりが変わると思ったので、導入の部分は1日1回リハーサルしていました。動画を文字に起こす作業を繰り返して、徐々に発問や児童役への当て方がシャープになっていったのを感じました。前日は、1日大学の教室を借りて練習していました。

3 2と重なるかもしれませんが、あの落ち着きぶりにも感心を呼びました。なぜあんなに落ち着いてできたのでしょうか。子どものことをかなり予想できたからですか。

準備期間が長かったのと、ずっと一緒に学んで来たゼミ生だったので「こんなこと言うかなぁ」という予想を持って臨むことができました。机間指導もして、子供の発言する内容も掴めていました。

ですが、一番は自分を信じれたからかなと思います。前にも書きましたが、授業1つにかなりの時間をかけてきました。準備してきたことが、無駄じゃ無いということを自分にも周りにも証明したかったので、準備してきた通りに自信を持ってやることができました。

4 授業設計自体、とても面白いものでした。参考にしたものはありますか。

授業を作る前、作っている最中に読み込んだのは佐藤正寿先生の本です。自給率0%の世界というぶっ飛んだ設定でしたが、それでも子供の思考を巡らせることができたと思います。

5 資料検索にスマホを使うこともいい!としました。なかなかできる発想ではありません。どうしてそうしたのでしょうか。

子供の考えを消したくなかったからです。
「あなたは賛成?反対?」というかなり考えに幅の出る発問にしました。教師が準備した資料に、子供の賛成にした考えの根拠にあたる資料が無ければ、子供は自分の意見を殺して参加し続けなければなりません。自分の考えをもとに参加することのできる授業にしたくてスマホの使用をやってみました。

6 あの授業で望んでいた子どもの最終の姿を言葉で表してください。

あの授業の中で、どうこうというものが明確にはありません。しかし、今の社会現状を他人事にしないでよくなるきっかけになれば良いなと思って作っていました。きっかけ作りとしては、インパクトある内容だと思います。
あえて理想を挙げるとするならば、翌日に「先生!昨日の授業、食料について家で図書館で調べてきたよ。今ってさぁ、、、」みたいなことを言ってきてくれるとこの授業は成功したと感じます。