生きるって (下野)
- 公開日
- 2021/05/25
- 更新日
- 2021/05/25
四方山話
こんにちは、7期生の下野です。
今回は、「生きるってなんだ」ということについて綴りたいと思います。
私は、18歳の頃に命を投げ出そうとした経験があります。原因は、自分ではもう良く覚えていません。思い出したくないのか、思い出せないのか、当時はもう何もかもが嫌になってしまったのだと思います。
2020年、子どもの自殺は過去最多となりました。
子ども達は、ストレスフルな学校という場で生活しています。小学校も中学校も高校も大学も専門学校も学校という場所は、ストレスフルです。
勿論、ストレスを感じず毎日を学校で楽しく過ごす子どももいます。しかし、そんな子であっても嫌なことや困ったことは襲ってきます。人生ですから。
社会人と違って、子ども達は金銭面や時間の面等、全てに自由が効きません。精神的にも身体的にも未熟であり、思春期も訪れ、子ども達は大人が想像を絶する程の考え事を抱えています。
さて、話は戻りますが、私が命を投げ出そうとした時。周りの言葉は耳に入りませんでした。
何を言われても何も響かず、何を頑張ろうとしたって誰も見ていてくれないと思っていました。そう勘違いしていました。
死のうとした時、虹が見えました。
私は、人生の節目に虹が見えます。聖徳の入試の日、高校の卒業式、大学の入学式。
ああ、まだ生きなきゃいけないのかなと思いました。また虹が見たいと思いました。
ほんの些細なことです。あの時虹が見えなかったら、私は今ここにいないかもしれません。
今は、こうして過去のことも発信できるようになりました。家族の温かさを改めて感じました。大切な人にも沢山出逢いました。
一生懸命勉強し、何かを考え、知り学び、仲間がいる。
当時の私にはこんな素敵な未来が待ち構えていることは想像がつきませんでした。
生きるってしんどいけれど、面白いです。
未来のことなんて誰にもわかりませんから。
どれだけ辛くても、生きていればまた戻って来れます。どうか耐えて。逃げればいい、それは逃げじゃなくて自分を守ることだから。どうか死なないで。
今の悩み苦しむ子ども達に伝えたいことです。
最後に、当時、私が心を動かされた本を紹介したいと思います。
鴻上尚史氏の「孤独と不安のレッスン」です。
この本は本当の孤独と前向きの不安を見つけ、それを楽しみ共に生きられるようになるための練習帳
という書き出しで始まります。
そして、最後は
本物の孤独が深く、前向きの不安が強ければ強いほど、素敵に生きていけますように。そして、死なないように。
と締められます。
一度は、本気で死と向き合った人間です。
綺麗事が届かないことは自分自身が良くわかっています。
それでも尚、教師を目指そうとした私が生き証人として子ども達の前に立つことのを意味を考えながら、日々をこれからも生きたいと思います。
人と人との繋がりを大切に、笑顔の発信源となれるように。
(下野)