笑瀾万丈3 ルンルンで入学 Web公開
- 公開日
- 2024/03/06
- 更新日
- 2024/03/23
志水 廣:自己紹介・書籍紹介 笑瀾万丈
笑瀾万丈劇2 ルンルンで入学
昭和45年の四月、受験から解放されたヒロシは、るんるんで大阪教育大学の池田校舎の門をくぐった。
大学の講義は新鮮であった。一般教養の科目は大部屋での講義で、東洋学、地学、憲法などを受けた。数学の講義は、数学科の学生向けに一般教養の科目として特別に指定されていた。微積分の講義と代数学の講義を受けた。
いかつい顔をされたK先生は、微積分の講義を始めた。第一回目に高校二年生の数2Bの微積分の講義からされた。
「あれ?」
これは高校二年生の勉強だなあと思っていたら、どんどん進んでいく。講義と演習がセットで進む。そして、一人ずつ式変形を指名していく。
「ええっ!!やばい」
ヒロシの番が来た。何とか、式変形できた。
あろうことに第二回の講義で高校二年生数2Bの講義は終わった。
「ええっ。どうしよう」
ヒロシは数3を学んでいないのである。文科系だったので、数3は履修していなかったのだった。
この先13回も数学の授業がある。このままじゃあ、落第である。合格したことでるんるんのヒロシは、ひやひやどきどきに変心。まる子ちゃんのような顔面蒼白な顔になった。
そこで、ヒロシは考えた。
「ようし、数3を勉強しよう。自学で乗り切ろう」と決意したヒロシでした。
早速、友人のU君にお願いして数3の教科書を借りた。そして、数3の参考書を一冊買って猛烈に勉強した。
「うんうん、なるほどこういうことか。俺って意外にできるかも!」
と思いつつ、一ヶ月で数3を自学自習した。分厚い一冊の参考書をやりこなしたときには、自信に満ちあふれたヒロシがいた。そして、大学の微積分の授業についていく力を修得していた。やるじゃん、ヒロシ。
教訓:逃げれるものならば逃げる。逃げられないとなったら頑張るしかない。