笑瀾万丈12 Web公開 体のこと
- 公開日
- 2024/03/15
- 更新日
- 2024/03/23
志水 廣:自己紹介・書籍紹介 笑瀾万丈
☆体のこと
教師の仕事は、立ち仕事で辛かった。体の調子は、 今ひとつすぐれなかった。実は腎臓病であった。尿に蛋白が出ていた。
三年目の夏休みに検査入院し、おおまかなことが判明した。ただし、腎臓の細胞のかけらを摘出する腎生検を受けようとしたが、点滴の薬にアレルギーが出て、結局は受けることができなかった。クレアチンという腎機能は悪くなっていなかった。以来、現在に至るまで腎臓病と付き合っている。ありがたいことになんとか持ちこたえている。生かされていることを自覚している。
確かに言えることは、病院にいると病人の気持ちになってしまうということである。三週間ほど入院していたら、足腰が弱くなっていた。働いていたほうが、気持ちもシャキッとした。
月に一度、神戸市民中央病院で検査をしていた。不思議なことに尿に蛋白は出るのだが、悪化はしていなかった。薬は特別でていなかった。
月一回、午前中に半休をとって病院に行くことは、現在に至るまでずっと精神的な負担になっている。とはいえ、病気が悪化していないのは、私が普段、病気を意識していないからである。思い悩んでいないからである。
心配ばかりしていては、人生は生きられない。
この病気があったから、いつまで小学校教師が勤まるだろうかという不安があった。この不安はこれまで誰にも話したことはない。
だから、20代に大学教員を夢見ていたのだと思う。実際に、大学教員になる難しさなどは全然考えたこともない。無知の世界であった。今、振り返ると、この病気が意識の底で転職へとつながっていたなあということである。
教訓:病気はあってもつかまない。