「心」と「知」の順序
- 公開日
- 2011/06/20
- 更新日
- 2011/06/27
今日のひとこと
6/21 今日のひとこと
公開講座で話したこと。
「活動をしてどうだった?」と気持ちを聞くことである。
13桁の数を書きましょうという問題で、なかなか遅い子がいた。
本当に時間がかかった。
活動の後に、みんなに思いを尋ねた。すると、その遅かった子が話した。
「□の中に数を入れようと思ったけれど、いつも同じ数が出てきました。違う数を出そうと思って時間がかかりました」という。
この子は、決して問題が難しかったわけではなかった。同じ数が頭から出てくるので、違う数を見つけようと格闘していたのだ。違う数を見つけるということは、0から9までの数を見つけようとしていたわけである。これが、十進位取り記数法にほかならない。この子は、まさに問題解決の過程で真理に迫っていたのであった。
この思いを受け止めたら、一番遅かったこの子が授業で大活躍した。つまり、「思い」を聞くことにより学習者自身を動かすことになる。
人は「心」が先に動くことにより習得していく。
それなのに、教師はすぐに「知」の部分だけを発表させたがる。
これでは、真に共感することはできない。
「思い」の先に「知」の発見があることを知ってほしい。
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