「心」と「知」の変容
- 公開日
- 2012/11/17
- 更新日
- 2012/11/17
今日のひとこと
授業とは、教師と子どもとが教材を通して「知」と「心」が変容する過程である。
最近は、「知」の前に「心」があると考えている。
算数的活動は「知」を引き出すためにあるが実は、「心」の変容も引き出すのである。
だから、先に「心」を問うべきである。すると、子どもは思いを語る。
その思いが次への「知」的探究心をもたらす。
静岡県伊豆市立熊坂小学校を訪問した。
8本の授業診断のあと、講演会があり、「情意と認知の統合」を目指したいと述べた。
実は、示範授業にからめて話した。この示範授業については後日報告する。
講演会後、近藤優子先生がわざわざ授業診断室までこられて、この例が本日の授業でありましたという。
それは、2倍の拡大図を作図する場面であった。
拡大図をかくのに、ある中心となる点を四角形の外に出す高度な作図場面であった。
下の写真は、A君の変容結果の写真である。
この場面を200字にまとめてもらった。
紹介する。
「ジャンプアップの作図問題で、A君ならできると信じて負荷をかけた。
1回目、かけなかった。2回目、かけなかった。
その時、「くやしい、もう一度チャレンジしたい」と情意を示した。
再挑戦、どこまでわかっているのかを確認し、もう一つだけヒントを与えた。
かけた!
図と正答の赤い線がぴたりと重なった。
A君が大きなガッツポーズをした。
情意と認知がつながった瞬間に立ち会えた私も心の中で、ガッツポーズをした。」
このように、「くやしい」という心が知への探究を導きだしたのである。
近藤先生の素晴らしさは、個別指導に入ったとき、その子その子に応じた助言をしながら○付け法を実施している。
だから、1人1人の付加が異なる。
即時判断と即時対応能力がとびっきりよい。
子どもの実態を捕まえているから子どもとのやりとりも抜群である。
愛で育てるとは子どもに外化を促す授業だと志水は定義している。
その外化もそれぞれに応じてほしい。そこには、真剣に子どもの学びをとらえ対応する教師の姿がある。
これなら、生きる力はつくと心底思った。
もう少し詳しい報告は、授業力アップわくわくクラブのメールブックで紹介したい。
[学力アップを支援する志水廣の公式ホームページ]