串間市有明小学校③示範授業
- 公開日
- 2008/03/05
- 更新日
- 2008/03/05
志水廣関係の講演・学校訪問の報告
宮崎県有明小学校で4年生を対象に「テープルといす」の問題で示範授業を行った。
今回も私の心構えは、木曽の三岳小学校同様にじんわりといくである。
だから、反応が少なくても、小さくてもそれを「受け止める」ことから始めようと思ってのぞんだ。
朝の4校時に子どもたちと出会った。すると、元気で素直な子たちであった。算数が好きな子ども、嫌いな子どもがいた。そこで、午後はがんばろうね、困ったときはみんなで助け合おうねと話した。
上田校長先生は、とても素直な子たちですが、150人に囲まれるとどうでしょうかと心配されていた。
1時45分から授業は始まった。はじめて子どもたちは緊張していた。反応が弱いので表情の躾をした。それから少しずつ反応がよくなってきた。自力解決ではとてもがんばった。考え方もかなり多くでた。しかも質が高い。
授業の岐路は自力解決のとき、A君が問題の意味がわからなかったことだ。他の子どもはどんどん解いている。ヒントカードも助言もしたが、今ひとつぴんとこなかった。そこで、決断した。「みんな待って。A君が困っているから問題の意味を確認しよう」と集団での一斉指導にもどして話し合った。それがきっかけで彼はわかった。
すると練り上げの場面ではA君は、俄然はりきったのである。ぼくは別の考え方をしたよと自信をもって発表し始めたのだ。また、A君かあという私の声に子どもたちはにこにことしている。授業に笑いが起きている。この変容の光景を参観者は見てびっくりしていた。
授業とは本当に不思議なことが起きる。
このやりとりの中では、子どもたちの意識に、周囲の150人は消えていた。自分の考えを発表し、反応する子どもたちに変わっていた。
この授業での一体感こそ、授業を押し進めるエネルギーとなった。
4年生の子どもたち、本当にありがとうございました。
鈴木指導主事は、○つけ法・意味付け復唱法をこの串間で実践しているので、ぜひとももともとの提唱者の志水の授業を串間のひとたちにみせてほしいという願いで、この研修会が組まれた。鈴木主事から、「志水先生の今日の授業は、問題が解決して答えがでてからが、授業が始まるという方式でしたね」と感想を言われた。普通は、答えを出すことが目標となるのであるが、答えを出すのはあたりまえで、そこから発想と式との結びつけを展開していった。だから、子どもたちのエネルギーが落ちなかった。これは、キャッチ&リスポンスを心がけているからである。子どもたちもよくついてきた。最後の方には、じんわりよりも鋭くしつこくできるように仕掛けて行った。この仕掛けによくついてきたのである。
今年度最後の講演であり、示範授業である。とても充実した空間であった。
ありがとうございました。
[志水廣の公式ホームページ]