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楽しい算数の授業 8月号

公開日
2008/07/11
更新日
2008/07/11

志水廣:書籍紹介

楽しい算数の授業 8月号
特集 新学習指導要領が期待する算数授業



特集 新学習指導要領が期待する算数授業


【総論】
新たな時代の幕開けとなる「算数」/金本 良通

【実践事例】
[低学年](言語力の観点から)記号ってすごいな! おもしろいな!!/金山 江美
[低学年](活用の観点から)「遊び」の中に「活用」あり/宮脇 真一
[低学年](基礎・基本の観点から)基礎・基本になる力をつけよう/村上 陽子
[低学年](算数的活動の観点から)子どもの思考過程を鍛える「算数的活動」をめざして/松木 雄二
[中学年](言語力の観点から)思考のスパイラルを意識しよう/福永 敬
[中学年](活用の観点から)グラフを読みとる力を育成する指導/島田 功
[中学年](基礎・基本の観点から)「計算の仕方を考える」場の工夫/林 義典
[中学年](算数的活動の観点から)教師自らが算数的活動を!/松宮 孝明
[高学年](言語力の観点から)数学的に表現,解釈するために/河鍋 有一
[高学年](活用の観点から)多面的な見方からの判断力を育てる学習/出葉 充
[高学年](基礎・基本の観点から)活用しない基礎・基本の習得は意味がない/片渕 文徳
[高学年](算数的活動の観点から)算数的活動を通して創造発展していく授業/石井 勝博

編集後記

 今月号では,新学習指導要領から4つのキーワード「言語力」,「活用」,「基礎・基本」,「算数的活動」の観点を取り上げました。「言語力」については,言葉の力を全ての教科で育成することが求められていることからきています。また,豊かな表現力とも大いに関連してきます。「活用」については,全国学力調査でもB問題として文部科学省から提起されたことです。「基礎・基本」と「算数的活動」についてはこれまでにも強調されてきたことですが,今回さらに強調されています。それは,活動を中心として子どもが自ら学び習得するものだとの考えからだと推測されます。
 金本氏は,指導内容のスパイラル編成と国際性のある教育課程を主張されています。氏は特に算数的活動について,ABCD領域との縦・横の構造を指摘しています。これは今後,指導要領が現場の授業を変革していくことを示唆しています。河鍋氏は,言語力育成について,子どもの発言に対して教師の解釈の押しつけを戒めています。同感です。志水の主張である意味付け復唱法は, 子どもの発言を丸ごと復唱することにより意味の再現と広がり深まりへと導くのですが,本質は河鍋氏と同じ主張と言えます。総論と多くの事例が寄せられています。ありがとうございました。読みながら今日から学習指導要領が目指す算数の授業改革は始まっていると思いました。
(志水 廣)