丸つけは誰のため?
- 公開日
- 2008/09/03
- 更新日
- 2008/09/03
算数・数学授業:志水メソッド総括 ○付け法、意味付け復唱法、音声計算、適用問題定着法など
○つけ法の声かけはだれのため??
☆言葉の力と脳の作用について
佐藤富雄氏(医学博士,理学博士)と清水榮一氏(天風会元専務理事)との対談が月間誌「致知」載っていた。これを読むと,いかに「言葉」の力がすごいのか教えてくれる。佐藤富雄氏は,口グセ理論やビタミンE健康法を説いておられる。清水榮一氏は中村天風のお弟子さんである。私は,天風哲学についてはかなり勉強した。「言葉」の力で積極思考を唱えておられる。天風さんについてはあえて説明しないで,新しい切り口の佐藤氏の話を紹介しよう。
「脳が発達すると人類は一度体験したことを頭の中で追体験するようになりました。それを言葉として表現するようになりました。お互いが言葉で連携を取り合う。するとと言葉に意味が出てきてそれが意識をつくる。・・・人間の意識は体にいろいろ影響を与えるけれども,特に言葉の影響が強いのはそのためです。」
「勝ち組遺伝子の開花のさせ方:発現の重要な鍵を握っているのが言葉。
言葉の意味がそうさせる。
脳をつかさどる自律神経に現実と想像の区別がつかないという特徴がある。
しかも,自律神経は自分と相手の区別がつかないので,言葉を投げかければ,その言葉の意味が投げかけた本人に働きかけるのです。
要するに,発声する言葉の意味は,もろに発声した本人の体に反応するわけです。だから,人を褒めれば褒めている自分が気持ちよくなる。人を誹謗すると,虚しい気持ちになる。」
「私は脳の働きから考えて,成功するのに絶対大事な言葉があると思っています。それはどんなに辛く悲しいことがおきても「これでいいんだ」「これでベストなんだ」という言葉を自分に投げかけることです。自分の意識ではなぜそれがベストなのかはわからない。しかし,なぜか,ということを考える必要はありません。最初の一言が脳を支配し,脳が自分で答えを探し出してくれるからです。・・・それにら気づくと,人生というのは思うようになるということがよくわかってくる。それと,もう一つ自分も含めて褒めること。褒めることで何が大切か。自分の環境が変わってくるのです。」
以上のことから,いかに長所を見つけ長所を褒めることが大事か脳科学の点からも分かるだろう。
人を褒めれば自分が気持ちよくなる。この文章を読んでいてひらめいた。
○つけ法は自分のためにもなるんだということである。
○つけすると,○をつけている人にとっても,あなたは○だよという言葉が,自分の脳に対して○だよと言っているのである。情けは人のためならずというが,「○つけは人のためならず」である。○つけを40人にすれば40回自分を褒めたことになる。3回机間指導すれば120回自分を褒めたことになるのである。○つけが楽しくなる話である。
さらに,言葉の力を使うのなら,「できたね」「すごいじゃん」「調子いいね」「いいアイデアだね」と言うと,単なる○つけが花丸レベルとなる。声をだしながら回りましょう。
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