2月14日(土)13:30より第11回2月セミナーを開催しました。
- 公開日
- 2026/03/07
- 更新日
- 2026/03/07
社会連携
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2月14日(土)13:30~15:30に、201教室において実施しました。
コメンテーターとして、学び合う学び研究所フェロー 栗木智美先生をお迎えし、授業者として、本学卒業の愛知県立高等学校教諭 鈴木音梨絵先生のリベラルアーツ国語の授業を通して「少経験者の実践研究会」をテーマに学び合いました。
今回は、11名の申し込みをいただき、学び合いを深めました。
セミナースケジュール
◇前半 授業体験
1. 「リベラルアーツ国語」の体験(60分)鈴木先生
休 憩 ・ 歓 談
◇後半 授業の意味とリフレクション
2. 「リベラルアーツ国語」の意味について(20分)栗木先生、鈴木先生
3. リフレクションと共有(40分)
◇セミナー前半
1. 「リベラルアーツ国語」の体験 (鈴木先生の指導のもと、参加者が生徒になり参加)
(1) リベラルアーツ国語の目標について
社会に出てからの生きる力をつける
(2) 今日の授業の目標
他者の気配を感じ、自分も反応する
(3) 身体活動に取り組む(1学期の導入として扱う内容)
①10秒間で、指示(誕生日・名前など)のとおり、参加者全員が順番に並ぶ。
②問い「どうしたら、早く並べますか」について、自分の考えをワークシートに書く。
③もう一度、発問(好きな食べ物)のとおり、参加者全員が順番に並ぶ。
④ペアをつくり、一本の箸をペアの指先一本で両側から支え合い、落とさないように活動する。屈伸をし、ペアで箸を支えながら、ペアのどちらかが間に潜り込むように一回転する。(しゃべらないようにやってください)
⑤今日の目標である「他者の気配を感じ、自分も反応する」を確認する。今の活動は、目標の抽象であり、しゃべらず、ペアの気配を感じながら、反応できるか。
⑥「どうすればできるのか」ペアでシェアする。
⑦成功したペアが模範をみせながら、成功の要因を見つけ出す。。
⑧ペアを変えて、もう一度挑戦する。
⑨体験を全員で共有する。
⑩「ペアを変えて感じたこと」をワークシートにまとめる。➡全体で共有
⑪「授業の感想」を書く。
休 憩 ・ 歓 談
◇セミナー後半
2. 「リベラルアーツ国語」の意味について
栗木先生 リベラルアーツ国語について、私も今回はじめて出会いました。そこで、生成AIを使い調べてみました。ご覧のような内容が出てきました。その一部を使って、リベラルアーツ国語の説明用動画を作成してみました。ご覧ください。
鈴木先生、今の動画をご覧になり、訂正箇所はありますか。
鈴木先生 いえ、兵藤先生のお名前以外はよくできています。
栗木先生 それでは、各テーブルでリフレクションをしましょう。今までの内容についての質問や学んだこと、また、このセミナーに参加された動機などを聴き合ってください。
<グループでリフレクションの共有>
3. リフレクションの全体共有
(1) グループリフレクションと全体共有
< ◎ファシリテーター栗木先生 ●参加者 〇鈴木先生 >
◎ それでは、お聞きしたいと思います。今グループで話されたこと、学んだこと、そして質問がありましたら、出してください。
● 実際に体験してみて、自分と相手の違いを感じ、お互いに合わせていくことは、社会に出て生きていくために必要な力だと感じました。本日の体験は、1学期の初めに行うさわりでしたので、リクレーション的な傾向が強いと感じました。実際に国語の授業とどう繋がっていくのか、訊いてみたいと思いました。
● ワークシートの使い方として、他のバリエーションはあるのでしょうか。このワークシートは鈴木先生のオリジナルなのですか。
● ぼくの高校では、ソーシャルスキルトレーニングをやっていました。その活動に似ていると感じました。私も、前の発言者と同じように国語の授業とのつながりが気になりました。
● 個人的には、座学ではなく身体活動ができて楽しかったです。しかし、小中学校の授業を考えたとき、「話す・聴く力」をどう付けていくのかが知りたいです。
● 鈴木先生が授業で生徒と接するときに、様々な悩みや迷いがあったと話されました。このリベラルアーツ国語を学ぶことで、鈴木先生の立ち位置にどんな変化があったのか。教えていただきたい。
● リベラルアーツ国語が正式に教科として認められている。そうなると、高等学校国語のどの領域に位置づくのか。また、教科として、評価の観点や方法などについて教えていただきたい。
◎ それでは、色々出していただきました。直接、鈴木先生にお聞きしたいことと、皆さんと一緒に考えていきたい内容があったと思います。まず、ワークシートについて、今回のものは鈴木先生が作られたものですか。
〇 はい、私が作成したものです。兵藤先生が作られたものを拝見して、それを参考にしながら、自分のオリジナルとして作成しています。私は、以前までは縦書きのものを使用していましたが、今回は横書きにしてみました。
● 今の説明を聴いて、意図的なワークシートになっていることが面白かったです。
◎ 指導と評価について、お伺いしますが、この授業の目標と評価はなんですか。
〇 今日は、「他者の気配を感じ、自分も反応する」が目標で、「反応することができたか」が評価ポイントになります。また、ワークシートに書かれた内容も評価項目になります。
◎ 評価には、知識・技能、理解・表現、主体的な学び、があります。それぞれに対応しているわけですね。
◎ じゃあ、国語の力として、どんな力がついていくか。みなさんは、どう思われますか。少しの時間ですが、グループで予想してみてください。
<グループ共有>
◎ グループの中で話したことやそこから感じたことなど、お聞かせください。
● 私は、この大学に入るまでは、他者を意識したグループでの話し合いやコミュニケーションはなかったです。高校までは、一斉授業でした。グループワークでも答え合わせや誰かの答えを聞くだけで終わっていました。英語の対話くらいでした。
● 作品に書かれていない、何かを読む?
◎ 今の発言は、面白いと思うんですが、何なんでしょうか?みなさん想像してください。
● 文章の行間を読むという意味で使っていたのではないでしょか。
● そうですね「間」ですね。行間の「間」です。対話をする中で、相手との距離感、登場人物との間の取り方。文字表現から身体表現へ移していく。「演劇と国語の挑戦」ということから、想像していたのですが、「手触り」、「体表感覚で吸収」する。その辺りが私にとって一番刺激的でした。言葉の手触り、風合い。例えば、絹は絹のように、綿は綿の手触りがある。言葉には風合い。ということを感じます。身体表現によって、より実感できる。
● 私は「復元」だと思っています。ここに出てくる場面を再現・復元すると書いていない要素があります。それを補わなくてはいけない。物理的に言えば間であり、教室の中で復元していくのかなと感じました。
私は、いま平安を再現したいと映像をつくっているんですが、「居た」という状況一つとっても、「こう座っているのか、並んで座っているのか、向き合っているのか?」分からないわけです。それを演劇で表現すると様々な違いが生まれてきます。
◎ 文学では「いたる」で終わることがありますね。一人ひとりの読みは違うから面白い。
〇 この授業実践の根底にあるものは、「話す・聴く」ことのハードルを下げることです。兵藤先生が行われている教室の状況は、生徒たちの実態として「話す・聴く」ことにかなりハードルがあります。そうした生徒にとっては、対話することに困難がある。そうした、生徒にとっては、身体を使って相手を見ることが大切な活動であり、その後、演技表現は「インプロ」即興演劇の手法を使ってみえます。
◎ 私も「国語力として、どうなのか」と感じました。でも、国語にとっては、文学の文章を読むためには、自己開示が必要になります。相手の心の内を聴くことが大切です。言葉になっていないことを聴く。その言葉や言葉のもつ想像の世界から表現を深めていくことが学びになります。そして、学び合うためには、一人ではできません。他者と学ぶ必要があります。そのためには、仲間との関係性の育成と改善が必要で、話すことよりも、訊くことが大切だと感じています。鈴木先生が、1学期から3学期までの活動を紹介されていましたが、3学期は「自分と向き合う」ゴールがあると話されました。身体活動がリクレーションで終わらないためには、この経験を通して、「自分はどうだったのか」と立ち止まり、「自分と他者との関わり」の中で何を感じたのかを「内省」することが重要だと感じました。
私が以前勤めた学校では、大変困難な環境で育ち、学校に登校できなく、言葉がなかなか出てこない生徒がいました。その生徒が、演劇部に入り、部活だけは活動できた。更にステージで堂々と演じることができた。演劇指導された方から、「他者になるから、演じられるんですよ」と話されました。本日の活動には、そんな意味合いがあるように感じています。
鈴木先生が教職の四年間どう過ごしてきたのか。これから、どう生きていきたいか。聞かせてください。
〇 赴任して、最初に生徒指導部に入り、生徒に嫌われることもあった三年間でした。こうした経験から、私は、普通に過ごしているように見える生徒が、実は、様々な問題を抱えて授業を受けていることに気づきました。時には、私の授業に乗ってくれることがありますが、つまらなそうにしている生徒を前にして、こんな授業しかできない自分を見つめました。そんな時、このリベラルアーツ国語に出会い、1年間学びました。教師である自分自身の成長は、まだ自覚できていません。しかし、自分自身がこのリベラルアーツ国語で学んだことを活かしていると感じています。私は、コミュニケーション能力が高いわけではなく、人前で話すことも得意ではなく、授業で緊張します。しかし、この手法に出会い、救われています。課題を抱えている生徒たちに、このリベラルアーツ国語の活動をとおして寄添うことができているのではないかと、気持ちの変化を感じています。
● 私は、鈴木先生がこの1年間にいろいろ学ばれたこと、そして、今のお話をお聞きしただけでも確かに成長されているなと実感します。ご自身の学びが、生徒にとってプラスに働いている、大きな力になっていると感じました。
4.参加された方からの振り返りを紹介します。
◆ 新任以来4年の先生が、自分の授業力や指導力が足りないことに悩み、その中で出会った「リベラルアーツ国語」をとおして力量向上に努める姿勢が大変素晴らしいと思いました。
「リベラルアーツ国語」とは何か。わかりやすい具体例と数回のグループワークから、学び合うためには他者との交わりが必要で、そのためには自己開示が大切であることを感じました。本日のセミナーの目標である「他者の気配を感じ、自分も反応する」ことを体験できました。
「リベラルアーツ国語」を学び実践することは、国語の授業をはじめ生徒指導、教育相談、学級経営など、様々な教育の場面で活きるように感じました。
鈴木先生が今後も学び続けられることにより、生徒や保護者から信頼される先生になっていかれますことをご祈念申し上げます。本日はありがとうございました。