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不思議なこと

公開日
2023/08/09
更新日
2023/08/09

船井幸雄の人間学

私は現在無宗教ではあるが創造主の存在は完全ではないが、あると思っている。というのは、上のいくつかの思いの実現については、信じられないことが多々あったからだ。
 例えば、第一作目の本『教科書を活用した算数の授業』を啓林館から出版した。この本を出版したとき、私が啓林館の教科書を執筆しているから啓林館の企画であろうと第三者は思ったことだろう。しかし、そうではなかった。啓林館の雑誌「理数」の内容をまとめることにしていたので啓林館には事前にこういう本を出しますからと了解はとっていた。       
 しかし、内容は啓林館の教科書の引用だけでなく他の会社の内容も扱い汎用性のあるものとし、出版社はA社にするという希望を伝えて交渉は私がした。A社の交渉は始めうまくいきそうになったが、結局だめだった。つぎにB社に頼んだ。企画会議では一発では決まらずあと一週間で決まる段取りになっていた。
このあいまいな状態の時に啓林館から電話がかかってきた。あの出版の話はどうなりましたかと。この時啓林館に始めに話した時から六ヶ月ぐらいたっていた。だから、私の頭の中には出版社のリストとして啓林館はなかったのだ。この電話をきっかけとして事態は急変した。それなら、啓林館のほうで出版してあげましょうということになった。あっという間に決まって進行していったのだ。今もってあの時なぜあの電話が入ったのか不思議で仕方がない。