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「個」とは何か?

公開日
2010/04/23
更新日
2010/04/23

今日のひとこと

4/24 今日のひとこと
 「個」を大切にするということは研究会ではいつでもどこでも言われている。
 ところが,この「個」とは一体何なのか。あなたは辞書で調べたことがあるだろうか。おそらくないだろうと思う。私もそうであった。ある年,「個を生かす算数の授業」という講演をたてつづけに依頼された。そこでやむをえず調べてみたのだ。漢和辞典(旺文社)をみた。つぎのようにあった。
 解字:人が死んでガイコツとなる意。のちに,物を数える言葉として用いる。
ガイコツだというのだ。これで私の持っているイメージはぐらついた。ということは,「個」を大切にするということは,人を殺してガイコツになることを大切にすることではないかと。これはとんでもないことだ。子どもを育てるどころか,真反対の意味になってしまうのである。
 そこで,つぎに,意味の所を見た。
 意味:1.物を数えるときにそえる語 2.全体に対する一つ
 やっと求める意味が出てきた。2の「全体に対する一つ」である。授業で言えば,学級集団が全体であり,それに対して一人ひとりが個である。私は,全体に対するという語が重要だと思う。つまり,全体がないのに個という概念は考えられないということである。だから,学級集団と一人の子供というのを対峙して考えていくべきである。       [志水廣の公式ホームページ]