記事

静岡県伊豆市立八岳小学校の授業より

公開日
2022/04/01
更新日
2022/04/01

算数・数学授業:志水メソッド総括 ○付け法、意味付け復唱法、音声計算、適用問題定着法など

八岳小学校の石和先生の授業は味のある授業であった。
ベテランのふところの広さに見入った授業であった。このことを随行した落合康子先生がまとめてくださったので紹介しよう。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

八岳小学校にて 7月5日

月曜日は、八岳小学校を訪問させていただきました。
前夜の懇親会には、事務の方や養教の方を含めて全員の方が出席。志水先生を迎えて学校体制で研究を進めていることへの心意気を見せていただいた気がしました。先生方の口から飛び出す言葉は、子ども達のこと、授業のことばかり。志水先生を迎えての今日だけ、ここだけの話ではなく、学校での日常会話がいつもそうなのだと聞かされ、思わずうなってしまいました。八岳小学校においては、『日常が志水塾・学びの道場』なのだと感心させられたものです。
しかも、実に楽し気なのがいい。教室での失敗に1人で腐らず、みんなの前で語れることの有り難さや、うまくいったとき、喜びを共に笑顔で語り合える仲間がいることの幸せを嬉しそうに語ってくださいました。

月曜日の授業は、どの授業にも子ども達が輝く瞬間があり、とても気持ちよく見せていただきました。何しろどの授業も準備が素晴らしく、先生方の思いの深さを感じました。
そんな中で、2時間目、3年生の石和佐和子先生の授業は、心に残るものでした。
「表とグラフ」の単元で授業をされていました。
2時間目は、3つの学級を回らなくてはならなかったので、最初の10分だけ見てあと残り10分ぐらいの時間に再び教室に入らせてもらいました。不思議なことに、黒板にはあまり文字はなく、1枚の表が貼ってあるだけでした。前もっていただいていた板書計画とは、およそ違う風景です。
でも、黒板の風景とは裏腹に子ども達の発言は実によくつながっていました。

T:桃ちゃんが行っていた、ここ(縦と横の合計の欄)は、どうしたらいいのだろう。

C:横とたてを足した数になる。
C:横の合計で、一番下の段の合計。
C:たての合計で答えを出した。
C:28+12=40 21+21=42 40+42=82 で82
C:おれは横で、21+32=53 53+29=82
C:たては4つ計算するけど、横は3つでいいから横。
C:○ちゃんと△ちゃんと一緒で横の合計。
C:どっちから足してもおんなじだから、どっちでもいい。

8人の子ども達がどんどんつないでいき、最終的には、
C:ここ(縦)とここ〈横)の合計は違って、ここに書いてある数の全部の数の合計。

と、まとめて行きました。
授業診断のとき、石和先生にお話を伺ったところ、
「3枚のグラフとそれを合計したまとめるためのグラフは用意していたのだが、子ども達
が要らないところを切ってつなげばいいというから、3枚の表で項目など重なっている部
分ははさみで切ってつないで使いました。」
とのことでした。

石和先生の見事なまでの捨て身の姿勢に感動しました。子どもが主人公ということをこれほど見事に表出した授業を見たことがありません。志水先生も見に来てくださっている授業です。できれば、かっこよくいきたいと思うのが人情と言うもの。でも、石和先生は、自分の計画を惜しげもなく捨て、子ども達の思いを優先されたのでした。板書の不思議が解明された瞬間でした。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
なお、落合レポートはまだまだあり、メールだより「夢現大」で紹介しよう。
[志水廣の公式ホームページ]