自力解決場面と適用練習問題場面の○付け法のちがい
- 公開日
- 2011/03/22
- 更新日
- 2011/03/22
算数・数学授業:志水メソッド総括 ○付け法、意味付け復唱法、音声計算、適用問題定着法など
自力解決場面では、問題を解決することを支援する○付け法であり、
適用練習問題場面では、解決の仕方はわかっているので、その解決の仕方を単に問題に対してあてはめていく○付け法である。
自力解決では、単に答えを求めるとは限らない。
解決の仕方も考えさせることになる。それを表現させることもねらいとなることがある。
だから、適用練習との○付け法とのは大きく難易度が異なる。
0.6÷3を考えてみると。
自力解決では、課題は「0.6÷3の計算の仕方を考えましょう。」になる。
ここでは、
1)0.6÷3の答えを求めること。
2)その答えの求め方は、図で求めたり、0.1がいくつで求めたり、デシリットルに変換して求めたり、数直線にかいて求めたりと様々な方法で求めることになる。
3)そのうえ、今答えを求めたことをメタ認知して「計算の仕方」として表現てせきることである。
4)上の1から3の間で当然認知のずれは生じるわけで、それがつまずきとなってあらわれる。
だとすると、自力解決場面での○付け法は、解決の多様性に応じる必要があり、しかもつまずきに対応する必要もある。
かなり、複雑である。
だから、やらないでよいというわけではなくて、教師の指導・支援として○付け法は必要である。
適用問題場面での○付け法は、自力解決と練り上げによってまとめられた解決の手順にそって、新しい練習問題に挑戦していることに対して○付け法することになる。
このときは、解決の手順というお手本が子どもにも教師にも判定基準としてあるので、わりと楽に○付け法が可能である。
それでも、子どもはただしく手順を遂行できるかというとそうとも限らないし、計算ミスもある。それをサポートしていくのである。
自力解決における○付け法は、教師も子どもも大きな太平洋を渡る航海と同じである。どこにどの方向に行くのか定まらないし、台風などに出会うこともある。これらに対してサポートしていくことになる。
それに対して、適用問題での○付け法は、国内の川の流れにそって解決である。もっと言えば、水路が決まっているところで小舟を浮かべてこいでいく感じである。
比較的穏やかな流れだと言えよう。
志水はまず、適用問題での○付け法をきちんとやりきってほしい。
水路をすいすいこいでいく力を身に付けていくことである。その力をつけてから、太平洋にでていってほしい。
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