記事

「心」の変化を質問してみよう

公開日
2011/11/01
更新日
2011/12/28

今日のひとこと

11/1 今日のひとこと
算数の授業は、数学の「知」を指導する。でも、その「知」は算数的活動の中から生まれる。活動しているときは、必ず思いがあるはずである。「心」の変化があるはずである。
この「心」の変化を質問してみることである。すると、その中から数学の「知」へと向かうヒントが生まれてくる。

10月28日、茨城県水戸市立妻里小学校で示範授業をした。
そのとき、カレンダーの数表の中から横に並んだ3ますを選んで,式と合計を求めさせた。
この後、普通ならばきまりはないかとダイレクトに発問するところであるが、あえて、私は、「この問題をやってみてどう思った?」と問いかけてみた。すると、A男は「電卓でやると速い」と発言した。
会場は笑った。
私は、笑いながらもこの言葉を板書した。
会場の先生方はびっくりした。そんな当たり前のことを板書するなんて。

この後、きまりの発見に授業は進んだ。その際、「みんなは3つのますの合計は計算が難しいと言いました。電卓を使えば速いと言いました。それでは、先生は、電卓を使わなくてもすぐに3ますの合計はわかりますよ」と次々と合計を3倍の法則を使って暗算で求めてみた。
俄然、教室の空気は面白くなってきた。なぜだろうと「はてな」が生まれた。
私は、「電卓でやると速い」と板書したのが生きた展開であった。この場になって、会場の先生方は私の板書の意図が分かった。
桐原校長先生、同行した小林美記代先生もこの技に驚かれた。

そこで発端は何か?
私が、算数的活動の後に、活動の感想を聞いたからである。
だから、まず「心」を質問してみるとよい。
すると、数学の「知」に迫るヒントが子どもから生まれてくる。
認知と情意は同時進行である。

このことに気づいたのが50代になってからである。
お試しあれ。
[学力アップを支援する志水廣の公式ホームページ]