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志水 廣の介入授業 伸びしろに挑戦

公開日
2011/11/05
更新日
2011/11/05

今日のひとこと

庄内小学校の瓜生先生の授業のすばらしさを感じていた。最後の5分間のところで3分間だけ介入した。

0.03×2のような問題の場面であった。これがうまくできていた。だからこそ、介入したくなった。予定調和で終わらせてはもったいない。子どもの高まりをさらにジャンプさせたかった。
そこで、写真のような板書をして問題を出していった。
0.02×□である。□の中に、3を入れていくつ?
子どもの意欲が増してきた。
5を入れていくつ?
6を入れていくつ?
ここまでは快調に進んだ。そこで、もう一つジャンプした。
12を入れていくつ?
うーむ困ったという顔。
できるようという顔。
2×12の暗算ができない子、24こだとどうなるか分からない子がいた。
教師軽くしてみたら、5人ほどの子どもが困っていた。
そこで、発表させた。やり方と答えを。
すると、分かってきた。
さらに、13を入れるといくつでは、全員ができていた。
わずか3分間で大幅にジャンプさせたのである。

これらのことから、授業では、絶えず、子どもたちの伸びしろを見る必要がある。
即ち、発達の最近接領域に働きかけることである。
どこまでが全体的にできていて、どこからができていないかをみるのだ。そして、全員ができそうだと判断したら、新たな挑戦をさせるのである。
説明力の場面をさせるよりもずっと子どもはやる気がでる。
普通、算数の授業で最後に自力解決のような問題はやらない。それは、違うのである。子どもの実態によりけりである。
子どもができそうならば、どんどんジャンプさせるとよい。
もちろん、できそうでないならば、止めるのがよい。
つまり、望ましい指導というのは、今の子どもの状態を見て、どの程度伸びるのか、伸びしろを絶えず、予想して指導すべきである。
跳び箱を全員が4段跳べたら、今度は5段も飛びたいと思うのが自然である。
なのにどうして、今日は、4段で終わりと言ってしまうのか。
適用問題定着法は、定着だけでなくて、発展的な問題を考えるきっかけにもなる。

とにかく子どもをよく見て、伸びしろを考えながら授業を進めてほしい。
最後に確認しておきたいのは、瓜生先生の指導が良いからこのような介入ができたのである。
感謝したい。
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