UD5 大羽沢子先生の「眼」
- 公開日
- 2014/04/20
- 更新日
- 2014/06/21
授業のユニバーサルデザイン
ユニバーサルデザイン5
福岡県の大羽沢子先生に特別にお願いしてユニバーサルデザインについてときどき寄稿していただくことになりました。
楽しみにしておいてください。
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「ユニバーサルデザイン」の波がキタ———!!!の背景(1)
おかげさまで、志水先生との著書「算数授業のユニバーサルデザイン」は売れ行き絶好調!私もこっそり書店に行き、「あるある。」と一人ほくそ笑んでおりました。書店は「春の教育書フェア」を設定していましたが、やはり「ユニバーサルデザイン」関連の本がよく売れているようでした。
なぜ、こんなに「ユニバーサルデザイン」が注目されているのでしょうか。また、そもそもユニバーサルデザインとは何なのでしょうか?「算数授業の・・」では、紙面の関係から充分にお伝えできなかったことをコラム風にちょっとずつお伝えしたいと思います。
また、私はこの度退職し、鳥取大学の井上雅彦先生の下で臨床心理士として研究・実践に取り組むことになりました。そこでの学びも交えてお伝えします。乞うご期待!!
まず、最初に定義をはっきりしておきましょう。
【ユニバーサルデザインとは?】
ユニバーサルデザイン(Universal Design:UD)は、ノースカロライナ大学のロナルド・メイス(RonaldMace)が文化、言語、国籍の違い、年齢や性別の違い、障害・能力のあるなしを問わず、誰でも利用することができる施設、製品、情報の設計の配慮として提唱した概念です。ユニバーサル(Universal)とは、普遍的な、あまねくという意味の英語です。授業に置き換えると、どの子も分かりやすく、適切な環境で学習できる教師の配慮や工夫といえます。(参考:兵庫教育大学名誉教授 成田滋先生による「兵庫教育大学同窓生ニュース」)
私が「ユニバーサルデザイン」という言葉を初めて聞いたのは、約20年前、神戸で行われた総合的学習の時間についての研修会でした。世間ではようやく「バリアフリー」ということが浸透している頃でした。あくまでも「何かハンディを持った人のための」という
「特殊教育」の考え方に近いものでした。そこへ「誰にでも利用できる」という視点はとても新鮮で、特別支援教育について全くの素人だった私でも、「なるほど!」と思ったことを鮮明に覚えています。
しかし、これが社会の変化と密接に結びついていることを知ったのはもっと後のことになるのです。(次回に続く) 大羽 沢子