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志水塾の趣旨

公開日
2007/09/03
更新日
2007/09/03

授業力アップ志水塾 過去の記事

授業力アップ志水塾のめざすもの

「これからの教師に求められるもの」

今,時代は大きく変わろうとしています。
おそらく規制緩和という自由化の波が教育の世界にもやってきます。
自由化は個の伸長という点においては素晴らしいことです。反面,競争社会への突入もさけられません。ルールのない競争社会は勝ち負けだけが優先されることが生じます。確かに,お互いに切磋琢磨するという競争は必要です。しかし,勝ち負けだけで生き残るという社会は健全とはいえません。
したがって,教育の世界は,伸びゆく「個」を大切にするとともに,人間社会という「和」をめざした「個」を育てることが大切です。

よって,いかなる激動の時代がやってきても,確固とした人間観,社会観に基づいた教育観をもつ教師の育成が求められます。
そのための「こころざし」をもった塾,それが志水塾です。具体的には,教師の力量のアップをめざします。言い換えると,授業力のアップです。
授業力とは,次の公式で表すことができます。

授業力={(教材把握力)×(子ども把握力)×(指導技術力)}×(精神エネルギー)

元気よさと受容・肯定からなる精神エネルギーのもとで,教材把握力,子ども把握力,指導技術力の三位一体の姿です。

「志水塾」

その姿を求めて,具体的に授業力を身につけもらうのが志水塾です。
当面は,「○つけ法」と「復唱法」を身につけてもらうことをめざします。理由は,この2つの技法を身につけていただければ,授業が大きく変わるからです。子どもが自ら考えるようになり,また教師と子どもとのコミュニケーションがうまくいくようになるからです。

○つけ法は,子どもの自力解決を促進し,支援者としての教師の役割をより一層明確にします。
復唱法は,子どもの理解の評価に,また教師と子どもとの相互コミュニケーションの促進にもなります。さらに,子どもの言葉で算数・数学の授業を創ることにもつながります。
ただし,これらの技法は,すぐに身につくものではありません。意識して○つけ法や復唱法を実践して,体と頭で感覚的に身につけていくことが必要です。したがって,志水塾では,それらの技法を習得する実践道場の役割を担い,○つけ法や復唱法が普及することを願っています。

また,志水塾では,専門職としてのプロの技の向上をめざしています。話を聞くだけの研修ではなく腕を磨く研鑽の場といえるでしょう。そのようなプロ教師が「こころざし」をもってこそ,教育改革の原動力になるものと信じます。
志水塾の最終的なねらいは,志水流の授業理論の普及です。教材把握力や子ども把握力,さらには精神エネルギー面の向上も図りたいと考えています。ただし,志水理論の支援であって強制ではありません。授業はその教師がもつ固有の空間だと考えるからです。

数学授業研究会,楽算総研究会のメンバーが上記趣旨に賛同し,自主的・自発的に教師塾(授業力アップ志水塾研修会)の開催にこぎつけました。この授業力アップ志水塾研修会では,塾に参加した受講生の向上とともに,スタッフの養成もあわせて行い,各地の現職教育のリーダーを育てることもねらいとします。

今後,少しずつ口コミ的に授業力アップ志水塾研修会を開催して,全国の教師および子どもたちのために動くことをめざします。各地で授業力アップ志水塾研修会が開催され,皆さんと一緒に,個と集団がともに活性化するような「共創社会」の実現を願って行動を起こしていきたいと思います。

 なお,この塾は,教師たちよる教師のための塾であり,非営利団体です。皆様のご理解とご協力をお願い致します。

志水塾 塾長 志水 廣