大学日記

9月12日(土)13:30より第6回セミナーを実施しました。

公開日
2026/10/08
更新日
2026/10/08

社会連携

9月12日(土) 13:30~15:30に、305教室において実施しました。

 コーディネーター 学び合う学び研究所フェロー 神戸 和敏 先生をお迎えして、「 『教育✕生成AI』~これからの校務と学びを深める利活用のヒント~」テーマに行いました。

 今回は、15名の申し込みをいただき、講師を含め16名の方により学び合いを深めることができました。


本日の予定

第1部 講義から学ぶ

 1.生成AIとは

 2.生成AIの利活用・活用事例 

 3.学習系での利活用 

   - 休憩 -

第2部 実体験コーナー

 4.Gemini  Gemini Notebook


第1部 講義から学ぶ(神戸先生)

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1. 生成AIの現状と仕組み

 • 従来AIと生成AIの違い: 従来のAIが「分析・認識(顔認証等)」を行うのに対し、生成AIは文章・画像・音楽などを「創造・生み出す」点に大きな違いがあります。

 • 生成AIの仕組みと課題: 生成AIは文脈に合わせて「確率的に最も高い言葉」を選択して文章を作るため、時に事実と異なる嘘(ハルシネーション)を出力します。

 • セキュリティと個人情報: プロンプトに入力した情報がAIに学習されるリスクがあるため、個人情報や機密情報は入力せず、**「学習させない設定」**を徹底することが重要です。

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2. 教員の校務・授業における利活用

 • 目的は「効率化」よりも「質の向上」: 単に時間を短縮するだけでなく、これまでの指導や業務の質を高めるために活用します。

 • 具体的活用例: 授業計画の作成、学校評価アンケートの多角的な分析、専門用語をわかりやすく打ち直した保護者向け文書の作成などに役立ちます。

 • あくまで「たたき台」: AIの出力成果物をそのまま使うのではなく、人間(教員)が確認・修正するための土台として利用します。

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3. 児童生徒への利用と指導上の留意点

 • 活用場面: 個別最適な学び(英会話の相手役)や、探究学習でのアイデア出し・議論を深める視点探しなどに有効です。

 • リスクと発達段階への考慮: AI依存や鵜呑みを防ぐため、低学年での利用は慎重に行う必要があります。正しい情報かを見極める**批判的思考力(クリティカルシンキング)**や善悪の判断力を育てることが不可欠です。

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4. Gemini Notebook(旧NotebookLM)の強みと活用

 • ハルシネーションの抑制: 教員が信頼できるソース(文科省の資料、指導案、学校経営案など)を直接読み込ませてその中から回答させるため、情報漏洩を防ぎ誤情報を大幅に減らせます。

 • 児童生徒の振り返り分析: 児童生徒が書いた振り返りデータを分析させることで、個に応じた指導やメタ認知・自己調整学習の支援に繋げることができます。

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5. 効果的なプロンプトの工夫

 • 役割と形式の指定: 「大学の教授」「文科省の役人」などの役割を与え、誰向けにどのような形式(箇条書き・表など)で出力するかを明確に指示すると回答の精度が上がります。

 • 生成AIにプロンプトを作らせる: 音声などで思いつくまま話した内容を整理させ、適切なプロンプト自体を生成AIに作成させる方法も有効です。

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第2部 実体験コーナー

 「実体験コーナー」では、参加者が実際にGeminiおよびGemini Notebookを操作しながら、教材作成や資料分析を行うワークショップが実施されました。

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1. Geminiの基本操作と教材プログラムの作成(Canvas機能)

 • 基本操作と機能選択: アプリケーションからGeminiにログインし、「+」マークから画像作成や音楽作成など多様な機能を選択できることを確認しました。

 • Canvasを使ったシミュレーション作成: 

 o Canvas機能を用いて、授業で活用できるプログラムをわずかな時間で自動生成・実行しました。

 o 神戸先生が現職時代に県の教育センター研修で2年がかりで制作した「円周角の定理シミュレーション」と同等のプログラムが、現在ではAIによって数十秒で作成可能となっています。

 o 参加者はペアで相談しながら、授業で使えるプログラムのコード生成とダウンロードを体験しました。

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2. Gemini Notebookの操作と資料分析

 • ソース資料の追加: Gemini Notebookの「新規作成」から「ソースを追加」を選び、デスクトップ上の資料(「総則・評価部会の取りまとめ 2026年8月4日」など)を読み込ませました。

 • 詳細設定と個別挑戦: 画面右側に表示される各種機能や詳細設定(「>」アイコン)を確認した後、参加者各自が取り組みたい課題や分析に挑戦しました。

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◎ 神戸先生からリフレクション

 皆様も家庭でぜひ挑戦していただきたいと思います。今まで自身で作成したスライドは、気に入ったものは一つもありません。やはり、使用する言葉は、自身の言葉に変えて使用していることがほとんどです。

 新しい学習指導要領の論点整理が出ていますが、今回のデータと前回のデータをソースとして入れて、比較をさせると理解が深まります。表現方法として表でまとめるよう指示すると見やすいものが出きます。

 8月31日の審議まとめは1000ページを超えています。要約も簡単です。ぜひ、家庭でやってみてください。


● 事前質問について

 「AIを使用すると、子どもが思った通りに簡単にいろんなことができてしまいます。AIを使う上で注意すべき点や、使いすぎることで子どもに不利益になったりしないでしょうか。」に対する私の考えは、

 生成AIの飛躍的発展は、知識の網羅的暗記の価値を低下させた一方で、「自ら問いを立て、AIを適切に制御し、情報の妥当性を見極めて責任ある意思決定を行う人間ならではの力」の重要性をかつてないほど高めている。 教育現場では、AIの利便性を享受しつつ、学びを省略させないための徹底した指導・評価の工夫が必要です。

どの様な授業を行っているかで、子どもたちの生成AIの使い方は変わる

 正解を求める授業 (挙手指名)      ➡ 生成AIで正解を求めようとする

              OR

 学びの過程(思考・判断・表現)を問う授業 ➡ 生成AIを活用して学びを深めようとする

● 生成AIに関する具体的な指導・対応方法

 ① AIの「特性の理解」 と仕組みに関する指導 (AI自体を学ぶ)

  単なる操作スキルの訓練ではなく、体験的な活動を通じてAIの科学的な仕組みやリスクを理解させる。

  〇 データの学習と予測・生成の仕組み(小5~中1段階) 

  〇 AIのリスク (ハルシネーションやバイアス)の理解

  〇 権利・モラル・社会的責任の考究

② 認知的オフロードへの対応

 「仮説を立てる」「論じる」「関連付ける」という高次の認知機能までもがAIによって代替可能となったからこそ、学習過程を意図的に省略させないための工夫が喫緊の課題となっている。

 <評価・指導の具体策>

  〇 プロセスの可視化(形成的評価)

  〇 外化(表現・口頭試問)の重視

  〇 アナログ(身体的行為・一次情報)の往還

  〇 ペーパー記述(AI遮断環境)の確保


◆ 参加された方からの振り返りを紹介します。

 今日のセミナーで学習した中で重要だと思ったことは、どのような授業を行うか?で子どもたちの生成AIの活用の仕方が変わる!

 GeminiとNotebookLMの使い方を実際に教えていただき、とても有意義な時間になりました。これまでGeminiは、保護者宛文書を作成する際に活用していましたが、まさか音楽まで作れるとは…。また、円周角の定理を説明するアプリも作ることができた上に、指示を加えれば、あっという間に小学生用にアレンジできたことで、すっかりテンションが上がってしまいました。子どもたちの実態を掴み、さらに単元のねらいに合わせた練習問題の作成、ジャンプ課題などに活かせると思いました。今日、教えていただいた生成AI利活用のメリットと留意点を頭に入れて、「たたき台」として資料をブラッシュアップするために生成AIを活用していきたいと思います。