介護の研修で、経営という視点を考える
- 公開日
- 2015/10/26
- 更新日
- 2015/10/26
仕事
介護関連の研修で講師を務めました。今回は、介護制度の変化に事業所としてどのよう対応していけばよいのかを、参加者の皆さんに考えていただきました。研修を通じていろいろなことに気づくことができました。
これから、ボランティアといった、専門職でない方も介護にかかわることが予想されますが、そんな中で自分たちがプロとしての差別化ができなければいけないことをしっかりと意識していただけたように思います。現場で働いている人の視点での意見をしっかり聞くことができました。また、事業所としてはリハビリテーションや認知症の対応などの相対的に介護報酬が高い、技術を必要とする分野に積極的に対応することも大切になります。先ほどのプロとしての差別化にも関連しますが、プロ意識を持って、質の高い介護技術を提供しなければ、介護事業所も生き残れない時代になっていくことをわかっていただけたようです。
この事業所では、訪問介護、訪問看護、弁当宅配などの訪問型、デイサービス、老人ホームなどの施設型のサービスを行っています。しかし、グループとしてこういったいくつものサービスを複合的に行っていることの意味については、あまり意識されていなかったようです。安定して事業を継続するためには、利用者の囲い込みこという発想も必要です。こういった発想は経営者の発想ですから、なかなか現場の方にはピンとこないことかもしれません。
こういった研修を通じて感じる課題の多くが学校現場にも通じます。例えば、先生方は学校経営という視点で自分たちの仕事を見ることはなかなかできていません。学校を取り巻く状況は非常に速いスピードで変化しています。以前と比べて学校に求められることは質も量も大きく異なっています。21世紀型学力、グローバル人材、センター試験廃止、地域連携、チーム学校、アクティブラーニング、道徳の教科化、小学校英語の教科化……と、最近耳にするキーワードだけでもものすごい量になります。先生方がこれらをただ受け身で、現場に降りてきてから考えようとしていては、学校経営は成り立ちません。先生方一人ひとりが、これからの学校はどのように変わらなければならないのかを考え、今からそれに対する準備をしておくことが必要です。「日々の仕事に追われてそんな余裕はない」という声が聞こえてきそうですが、先生方がどう対応するかは、よくも悪くもすべて子どもたちに還元されていきます。子どもたちのためにも、これからの学校ではどのようなことが大切になり、それを実現するためにはどのようにしなければいけないのか、ほんの少しでよいので、考えてほしいと思います。