介護研修で、看取りについて考える
- 公開日
- 2016/07/31
- 更新日
- 2016/08/01
仕事
介護職員の研修を行ってきました。6月は「看取り」がテーマでした。
看取りは介護される本人にとっても、介護職員にとっても重いテーマです。しかし、だからこそ現実から目を背けてはいけない大切なことです。今回は皆さんと一緒に、どのように接するのか、どんなことに注意をすればいのかについて考えました。
看取りだからといって、介護すべきことが根本的に変わるわけではありません。ただ、介護される方が、自身の死に直面して精神的に不安定になることもあります。不安や愚痴を漏らすこともあるでしょう。しかし、安直な同情や慰めはかえって相手を傷つけることもあります。また、相手の気持ちに影響されすぎて介護者が落ち込むわけにもいきません。相手に寄り添いながら、自分たちがなすべきことをきちんとこなすことが大切です。
また、家族の方への配慮も大切になります。身内を看取る家族の心労はとても大きなものです。家族の精神的な負担の軽減を意識することも大切です。特に、家では看取れないために介護施設に入所されている方の家族の場合、そのことに対して負い目を感じていることもあります。だからこそ、この施設に預けてよかった。自分たちが看取るよりもよほどよかったと思っていただけることが大切です。施設での明るいエピソードをお伝えして、ご一緒に故人を偲ぶことは、家族の方にとっても心が休まることなのです。そのためにも、毎日の介護の中でその人とならではの交流を一つひとつ積み重ね、心にとどめておくことが大切になります。介護技術以外の要素もとても重要なのです。
研修に参加された方のお話からとても多くのことを学ぶことができました。介護では個に対応することがとても大切です。学校現場でも一人ひとりの子どもにどれだけ寄り添うかはとても大切です。とはいえ、教師の人数や仕事量から考えると簡単なことではありません。だからこそ、そのことを意識していないと個としての子どもを見失ってしまう危険性があります。そのことを改めて考えさせられました。