作業の指示をどう工夫するか
- 公開日
- 2010/05/19
- 更新日
- 2010/07/26
授業ワンポイントアドバイス
授業では子どもたちに作業をさせる場面がたくさんあります。
地図を見てワークシートに山や川の名前を書きこむ。
教科書の例文を写す。
板書を写す。
こういった作業を授業時間中におこなう理由は何でしょう?
写した結果は重要ではありません。教科書や地図帳を見ればのっていることであればそれを見ればいいのです。板書だって、あとから印刷して配れば十分です。貴重な時間の無駄です。とすれば、その狙いは作業させること自体にあるわけです。作業させることで「定着させたい」。だから貴重な授業時間を使ってやらせるのです。
では、実際はどうでしょうか?
写すことや書く作業では単純に見て写しても定着しません。また活動に対する評価が無いので漫然と作業します。女の子が美しいノートにこだわるのも、写すという単純作業に対して「美しい」という評価規準を与えることでモチベーションを保っているのです。
そこで、作業の指示をする時にちょっとした条件や評価を入れるのです。
例えば、
「黒板を見ないで写して」
「例文は、1文ずつ一気に写して」
「地図帳を閉じてからワークシートに写して」
と指示し、
「でも、わからなくなったら見ていいんだよ。できるだけ見る回数を減らそうね」
とつけ加えておきます。
こうすることで、単純作業にも目標と評価が定まり、モチベーションアップにつながります。作業後、隣同士のペアで確認をすれば子ども同士の関わり合いをつくることもできます。
作業の指示を工夫するだけで、子どもの意欲や集中度は驚くほど変わるものです。