日記

子どもを見ることから学ぶ

公開日
2010/06/24
更新日
2010/06/24

仕事

昨日は、市の中堅対象の研修会でコーディネーターを務めました。授業を参観してのグループでの検討を中心にしたものです。いろいろな市町や学校から研修をお願いされるのですが、講演は極力お断りして、授業を見ての勉強会を中心としたものを提案させていただいています。この市でもこういう形式で4年目となります。毎回新しいメンバーなのですが、私自身たくさんのことを学ばせていただいています。

学力も高く指示されたことをきちんとこなせる学級での授業でした。グループでの話し合いの後の発表の場面では、本当に多くの子どもが挙手をして発表してくれました。先生はどの子の発言にも否定的なことを言わず、受容的な姿勢で子どもと接していました。そのせいか、子どもたちのテンションも終始落ち着いていました。

授業後の参加者による検討会では、教師の発問や支援といったことよりも、子どもの事実をもとに話す姿たくさん見られました。

子どもたちは書く力はすごくある。けれど、グループの活動では、自分の書いたものを順番に発表するだけで、自分と反対の意見がでていてもそのまま互いに認めて議論にならない。なぜだろう?

非常にできる子が、客観的なことを書いていたが、グループの話し合いで他の子が主観的に書いているのを知って、書きなおしていた。グループにするとこんなことが起こるのだ。

個人の作業で手がつかなかった子が、グループになって友だちの発表を聞いてから、自分の考えを書き始めた。何を書いてよいのかよくわからなかったのが、友だちの発表で分かったのだろうか?

このような話がたくさんされていました。
発問や支援といった教師の行動に注目しても、この「教科」、この「単元」、この「学級」でしか通用しない話になってしまうことが多々あります。どの授業にでも通じることをそこから見つけて話し合うことはなかなか難しいものがあります。また、「自分はこのやり方をしない。自分ならこうする」と思った時点で学ぶことはなくなってしまいます。
それに対して、子どもの姿は、どの授業でも目にする可能性のあることがたくさんあります。その姿は明日の自分の授業でも起こりうることです。また、こういう話し合いをすると、自分の授業での子どもの様子が気になるようになります。そこから、授業の改善すべきところが見えてくるようになります。

授業を見る時は、教室の後ろから教師を見るのではなく、横や前に移動して子どもの姿もしっかり見てください。きっと多くのことを学べると思います。