日記

「みんな」という言葉は要注意

公開日
2010/06/28
更新日
2010/06/30

授業ワンポイントアドバイス

授業を参観していると、「みんなよく頑張ったね」「みんな分かった?」と、「みんな」を主語にした言葉をよく耳にします。この「みんな」という言葉にはちょっと注意が必要です。

「みんな」という言葉は、教師が子ども一人ひとりをきちんと見ていなくても使える言葉です。また、子ども一人ひとりの行動や理解は異なりますが、それらを「みんな」で代表させてしまうと、子どもがきちんと自分を評価できなくなったり、自分を主張できなくなったりします。

例えば、「みんな頑張ったね」と教師が言う時は、具体的に誰が何を頑張ったか、本当に一人残らず頑張っていたかを確認していないことがよくあります。子どももなんとなくほめられてうれしいのですが、きちんと自己評価できません。

「○○をやった人、手を挙げて」
「全員手が挙がったね。みんな頑張ったね」

このように、具体的に問いかけ、子どもが自己評価できることを大切にするとよいと思います。
ただ、全員の手が挙がらない時は、挙がらない子をきちんとケアする必要があります。

「A君は手が挙がらなかったけど、どういうことかな」
「あまり○○はちゃんとやらなかった」
「そうか、やらなかったか。でも、先生は、A君は△△をやって頑張ったと思うよ」
「みんな頑張ったね」

また、「みんな分かった」と聞いて、子どもが「はい」と元気よく返事を返してくれても、本当に全員分かったとは限りません。確かに大多数の子どもがわかっているのかもしれませんが、その陰には少数の分からない子がいることも多いのです。
「みんな」という言葉は、その中に入らない子どもを切り捨てる言葉にもなってしまいます。

教師が学級に語りかける時に便利な「みんな」という言葉ですが、その使い方には注意してほしいと思います。