「わかった」は禁句!?
- 公開日
- 2010/07/08
- 更新日
- 2010/07/08
授業ワンポイントアドバイス
授業中に教師がよく使う言葉に、「わかった」があります。
「この問題がわかった人?」
「わかったこと聞かせて」
このような使われ方をよく目にします。
私は、この「わかった」という言葉を「禁句」にしてくださいとお願いしています。
「わかった人」「わかったこと」と聞かれれば、わかった子しか挙手できません。常にわかっている子のペースで授業が進みます。手をかけなければいけない「わからない子」が参加できないまま進んでいきます。
「気づいたことや考えたことを聞かせて」
「わからないことを教えて」
と、できるだけどの子も参加しやすいように聞いてあげる必要があります。
また、説明の後に「わかった?」と聞かれると、子どもの立場では「わかりなさい」という強迫とも感じられます。
「Aさん答えて」
「わかりません」
「・・・だから、・・・だよね。だから答えはこうだね。Aさんわかった?」
「わかりました」
このように教師が一生懸命に説明してくれた後では、よくわからなくても「わかりません」となかなか言えないものです。子どもが立たされたままであれば、早く座って解放されたいのでなおさらです。
「わかりました」
「じゃあ、自分の言葉で説明してくれる」
「・・・」
このように、実際に確認するとわかっていないことがよくあります。しかし、教師の方も、ここで「わからない」と言われると授業が進まないのであえて確認をしないことも多いようです。その結果、教師の説明の後「わかった」と聞かれると、とりあえず子どもは「わかった」と答え、教師はそれ以上追及しないという、暗黙の不可侵条約が結ばれてしまうのです。
「わかった」結果ではなく、「わからない」こと「わかる」過程を大切にして、わからない子が参加できる授業にしていただきたいと思います。