必然性のある場面をどうつくる
- 公開日
- 2010/09/07
- 更新日
- 2011/08/10
授業ワンポイントアドバイス
子どもの学習意欲を高めるための大切な要素として、学ぶ必然性があります。学ぶことが役に立つ、必要であると感じれば、当然一生懸命課題に取り組むからです。では、学ぶ必然性のある場面をつくるには、どういうことを意識すればよいのでしょうか。
基本はゴールが明確であることです。ゴールにたどり着くために必要であることが学ぶ必然性につながります。
色の塗り方を工夫して絵を描くことを考えてみましょう。「今日は○○の絵を描く」だけではゴールはまだ明確ではありません。今までの子どもの作品を見せる、その絵のよさを子どもが感じる、あんな絵が描きたいと思う。こういう過程が必要になります。その過程で「色の塗り方に工夫がされている」ということに気づかせればよいのです。
次に意識したいのは、学んだこととそれを活かす場面はできるだけ近接させるということです。
先ほどの絵の例で、下絵を描いてから色を塗る作業に入るのであれば、色の塗り方の工夫を具体的に考えさせるのは、下絵を描いた後がよいということです。
下絵も描いていない状態で自分がどんな絵を描くかも明確でなければ、先輩の作品を見て色の塗り方の工夫について考えても、その必要性をあまり感じません。「さあ今からどんな風に色を塗ろう」と思っているときであれば、先輩の工夫から学ぶことに必然性があります。
「下絵が描けた人は、色を塗ってもらいます。塗り始める前にもう一度先輩の作品を見て、ここがいいなと思うところがあったら真似していいからね。どんなところを真似したかあとで教えてね」
このような指示を出すことで、集中して先輩の絵から学びます。
子どもたちが学ぶ必然性をどうすればより感じることができるか意識して、授業をつくっていただきたいと思います。