永遠の課題?
- 公開日
- 2010/09/13
- 更新日
- 2010/09/13
独り言
先週末の教師力アップセミナーで國學院大学の滝井章先生に「思考力と表現力の育成を重視した算数の授業づくり 〜新学習指導要領の趣旨を生かした授業づくり〜」という演題でお話しをうかがった。
算数を通じて「物事の本質を見つける力」をつけたいという先生の考えに大いに共感した。また、今回の指導要領の改訂で学年間の重なりが重視されたが(スパイラル)、単に下の学年に降りてきたのではなく、そのつながりを意識してほしいという具体例が非常にわかりやすく、大変勉強になった。
しかし、先生の話される思考力、表現力を育てる授業ということは、今急に言われだしたことではない。特に、思考力は、算数・数学という教科ができた時からではないかと思う。学年間のつながりを意識するということだって、言い方こそ違え多くの方がおっしゃってきた。にもかかわらず、こういったことが言われ続けなければならないのはなぜだろう。永遠の課題と言ってしまえばそれまでだが、そんな言葉で片付けたくない。よい授業にゴールがないのだから、求め続けるのは当然というのもちょっと違う気がする。
現場で授業を見せていただいて、実現の度合いが低いと感じるからだ。
滝井先生のようなすぐれた実践者はたくさんおられる。具体的な実践が広まっていかないことが問題なのだ。セミナーで話を聞いてもせいぜい1つか2つの例しか聞けない。しかも聞いただけで実践できるようになるわけではない。いわんやすべての教科単元を網羅するなど絶対に不可能である。結局、教師自らが書籍などを通じて学び、実践し、同僚と学び合う以外に方法はないのだろうか。それさえも現実には難しい状況がある。
わかっていたとはいえ、あらためてこの問題を考えることになった。今すぐ答えが見つかるわけではないが、自分できることをやりながら、答えに近づきたいと思う。