日記

大学の講義の様子に思う

公開日
2010/10/04
更新日
2010/10/04

独り言

たまたま大学の講義を見る機会がありました。建物を見るのが目的だったのですが、時間の都合で授業中に教室に入ることになってしまい、失礼ながら講義の様子が目に入ったのです。

講義の中ごろだと思いますが、すでに半分くらいの学生は机に倒れていました。後ろの方では、背中を向けて友だちと雑談をしている者もいます。起きている学生も話を聞いているものはほとんどいません。講師の先生は学生の様子に頓着せず、淡々と話を続けています。ちょっと悲しくなりました。
学生にとっても講師にとっても不幸な時間です。今の学生は、大学の先生の授業技術はと非難する気はありません。この講義が大学の講義を代表するものだとも思いません。ただ、この状態を改善するにはどのようなことが必要なのかを考えさせられました。

もう何年も前のことになりますが、私が関わらせていただいていた中学校で、授業を改善しようという動きが起こりました。そのころ教室にはやる気のない生徒、寝ている生徒の姿が目についていました。何とかしたい、せめて寝ている子をなくそうと先生方は授業改善に取り組みました。数年後には寝ている生徒の姿を見ることはなくなりました。これは一部の先生の頑張りで達成できたのではありません。「私の授業は大丈夫」「あの先生の授業はちょっと」と個人の問題とせず、共通の理解のもとに全体で取り組み、授業を工夫し、互いに公開し、学び合って達成できたのです。

いま大学では学生による授業評価が進んでいます。しかし、授業改善を先生個人にゆだねていてはなかなかよい方向には向かわないと思います。授業を先生方の共通の問題とすることが改善への第一歩だと思います。