日記

子どもの姿は教師を映し出す鏡

公開日
2011/06/13
更新日
2011/06/13

仕事

先週末は小学校で授業アドバイスをおこなってきました。1年間、若手の先生方と一緒に授業について考える予定です。

この日は第1回目ということで、子どもたちの授業の様子を一緒に見ることを中心にしました。授業者はできるだけ見ないで、子どもたちに集中するようにお願いしました。日ごろ第三者の視点で子どもたちを見ることがないので、とても新鮮だったようです。
挙手したが指名されなかった子どもが、その後集中力を切らして発言を聞かずにぼんやりしていることが多いことに驚いていました。また、そのことに授業者が気づいていないこともわかったようです。

授業の場面ごとに一人ひとりの子どものどのような姿が見たいのかを意識していないと、子どもたちの様子を見過ごしてしまいます。発言していない子どもにどうあってほしいかが明確でないと、発言者ばかりを見てしまうことになります。意識しないことは見えないし、見えなければ修正されることもありません。
子どもの姿は教師を映し出す鏡なのです。ですから、教師ではなく子どもの姿を見ることをお願いしたのです。

その上で、少しスキル的なことをお話ししました。子どもたちに参加を促すための声のかけ方です。
例えば、発言している子ども以外がぼんやりして授業に参加していなければ、活動しているのは一人だけです。しっかり発言を聞いて参加していれば全員が活動していることになります。一見すると同じように見える授業でも一人ひとりの活動量には大きな違いがあります。そこで、指名したときに、「○○さん、考えを言ってくれる」ではなく、「○○さんの考えをみんなで聞こう」と主語をWeにするのです。発言は指名された子だけの活動ですが、聞くことは全員の活動です。視点を変えるだけで子どもの動きは変わってきます。グループでの話し合いなども、「話し合おう」ではなく「聞き合おう」と声をかけるのです。

子どもの様子を一緒に見たり、話し合ったりしながら感じたのは、先生方がとても熱心で素直なことです。1年間一緒に学び合うことできっと大きな進歩を見せてくれることと思います。次回の訪問が楽しみです。