教科書の子どもの発言を読みこむ
- 公開日
- 2011/09/05
- 更新日
- 2011/09/05
独り言
仕事の関係で小学校の教科書を読む機会が増えました。読みこむことで、最近の教科書はよくできている感心させられることがたくさんあります。何がポイントかとても分かりやすく、指導書は必要ないのではと思うほどです。また、子どもたちにどのような活動をさせたいのか、どのような発言を期待しているのか、教科書作成者の思いがとてもよく伝わります。
このような思いが一番よく表れているのが、教科書に書かれている子どもの発言やつぶやきです。
「・・・じゃないかしら」
「・・・だろう」
「・・・と考えました」
・・・
この部分に非常に重要なポイントが隠されています。ここをしっかり読んで理解すれば教材研究がほぼ終わるとも言えます。しかし、教科書に書かれてはいますが、この発言やつぶやきは授業中に教室の子どもたちから出てほしい言葉でもあります。教科書を読んで気づくのではなく、自分たちで気づいてほしいのです。ですから、教科書は授業の大切なツールではありますが、場合によっては開かない方がよいこともあるのです。教科書を見せないで子どもたちから期待する発言を引き出す。ここに教師の大切な役割があります。
子どもが教科書にあるような疑問を持つにはどのような問いかけが必要か。
子どもが自分の考えを持つためにはどのような活動が必要か。
子どもが自分の考えを発言できるために持つためにはどのような働きかけが必要か。
教科書は教師がどのような役割を果たさなければいけないのかを常に問いかけています。
一見すると、教科書を使わないで独自のやり方で進んでいるようでも、よく練られていると感じる授業は間違いなく教科書をしっかり読みこんだ上でつくられています。
よい授業をつくるには、何よりもまず教科書を読みこみ理解することが第一歩だという思いをますます強くしています。