学校の成長とこれからの課題について講演
- 公開日
- 2012/06/08
- 更新日
- 2012/06/08
仕事
昨日は中学校で講演をおこないました。4年間訪問している学校です。当初は授業規律もままならない状態でしたが、3年ほどですっかり見違えるような学校に変わりました。異動等でこれまでの経緯を知らない先生も増えました。ここで一度この4年間を振り返り、次へのステップアップのためのお話をさせていただくことになりました。
この4年間で、教師が子どもを受容する雰囲気がずいぶん学校に広まりました。その結果、子どもと教師の人間関係が良好なものになり、教師の話をしっかり聞こうとする姿勢ができました。実は、次のステップに進めるかどうかはここがポイントとなります。どういうことかというと、子どもたちが集中して聞いてくれるようになると、教師はついついしゃべりすぎてしまうのです。そうではなく、教師が聞く時間を増やすこと。つまり子どもの発言を増やすことが求められます。子どもに外化を求め、子どもの活動量を増やすのです。そのためには、一問一答形式の答え探しの授業からの脱却、子どもたちが考えざる得ない課題設定などの工夫が必要です。知識は知っていれば答えられますし、知らなければ答えられません。知識を問うても、考えることにはつながりません。先に答えを与えて、「どうやって求めたかわかる?」と聞いたり、「何がわかれば、答えが出せる?」と必要な条件をたずねたりするといった工夫が求められるのです。
うれしいことに、過去に私が個別のアドバイスをした先生方がとても集中して話を聞いてくださいました。彼らにとっては、アドバイスのときに聞いたことがある話がほとんどなのにもかかわらずです。アドバイスされたことを自分の中で確かなものにしようという意欲が感じられました。後ほど校長、教務主任から彼らの授業がとてもよくなってきていると聞きました。前向きな姿勢が進歩につながっているのだと思います。また何人かのベテランの方もとてもよく反応してくださいました。自身の経験と照らし合わせながら聞いていただけていることがよくわかります。自分の持っているものを今回の話をきっかけに整理していただけたのだと思います。こういう方は、若手にもきっとよいアドバイスをしてくださるでしょう。こういったベテランの存在が若手の成長を支えてくれるのです。
今年度も2学期以降、個別の授業アドバイスが予定されています。昨年に引き続き今年も希望してくださる方が何人もいらっしゃるそうです。きっと大きな進歩を見せていただけることと思います。この学校がこれからどのように進化していくのかとても楽しみです。