日記

市の全体研修の打ち合わせ

公開日
2012/07/19
更新日
2012/07/19

仕事

昨日は、夏休みにおこなわれる市の全体研修の打ち合わせをおこないました。全体の場で模擬授業をおこない、随時、私と授業者で解説をしていくという形式のもので、今年で3年目です。150名以上の先生が集まります。代表で授業をする先生には本当に大きなプレッシャーがかかることと思います。引き受けていただけたことに感謝です、

今回の打ち合わせは、授業の内容について授業者と検討することが中心でした。いただいた指導案を見てうなりました。子どもが考えた意見を全体で交流することが授業の中心だったからです。授業者の受け、返し、つなぎの技術が問われるものです。このような授業にチャレンジしてくださるということは、ふだんの授業でもこのことを意識しておられているということです。そのような先生とこのような研修を持てることをとてもうれしく思いました。子どもの考えをつないでいくということはよく言われます。私もお話することが多いのですが、具体的な場面がないとなかなか理解していただけないのが実情です。今回、模擬授業でこのような場面を扱えることは、研修に参加される先生方にとってもとても有意義なことです。
また、小学校5年生の理科の授業なのですが、道徳教育を織り込むことも考えておられました。学習指導要領でも「・・・道徳の時間はもとより、各教科、外国語活動、総合的な学習の時間及び特別活動のそれぞれの特質に応じて、児童の発達段階を考慮して、適切な指導を行わなければならない」という文言があります。しかし、実際にこのことを意識した授業に出会うことはなかなかありません。そういう意味でも、とても楽しみです。

指導案をもとにいくつかアドバイスをさせていただきました。
今回のように子どもに考えさせて意見を言わせる場合、根拠となる知識がなければ無責任な発言の応酬になってしまいます。その根拠となる知識として何を前提とするかを明確にすることが求められます。導入でおこなうのか、まとめでおこなうかでも、前提とできる知識は異なります。第何時に位置付けるかも含めて検討をお願いしました。
また、子どもの相互指名も考えておられましたが、根拠を大切にするときに、子ども同士で指名するのはかなり無理があります。同じ考えをつないだり、論点が明確になるように指名し合ったりするには、日ごろから鍛えておかなければならないからです。具体的にどのような指導をしてどのような力をつけるのかを明確にしておく必要があります。その上で、模擬授業の児童役にどのような力がついているか意識して演じるようにお願いしなければなりません。授業展開も子どもに身に着けさせた力を意識したものにするようお願いしました。

本番でこの指導案がどのように変わっているかとても楽しみです。その変化の理由を全体の場で語っていただくことで、授業をつくる上でのポイントがはっきりしていくと思います。今回の打ち合わせから既に研修は始まっています。授業者の学びが全体の学びとして共有でき、模擬授業の場がまた新たな学びを生み出してくれることを願います。授業者も児童役も含め、すべての参加者が、楽しく、互いに学び合える研修会にしたいと思います。