日記

「協同の学びをつくる ‐幼児教育から大学まで‐」から学ぶ

公開日
2012/08/20
更新日
2012/08/20

独り言

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いつも多くのことを学ばせていただいている、愛知文教大学人文学部教授の副島孝先生(前小牧市教育長)が著者に名を連ねる「協同の学びをつくる ‐幼児教育から大学まで‐」を読ませていただきました。8人の方が著者に名を連ねていることからも想像がつきますが、幼児教育から大学までの広い範囲をそれぞれ異なった立場・視点で書かれたユニークな本です。

読者の立場で言えば、最初のうちはどこへ行くのかわからないままあちらこちらに振り回されている感じがして読み辛いのですが、何かまとまったメッセージを受け取ろうとするのではなく、それぞれの章から参考になるものを拾っていこうという気持ちで読むと学ぶことがたくさんあります。私にとっては、日ごろ接することの少ない幼児教育や大学での試みがとても勉強になりました。
幼児教育では環境(どんな道具や教具を用意するか、どこに置いておくか etc.)を工夫することで子どもたちの学びを生み出すということはよく聞いていましたが、それにプラスする教師のかかわり方が幼児教育以外でも十分通用するものだと思いました。たとえ言葉がまだ拙い幼児でも教師が予断を持たずにその声をしっかり聞いて対応を考えているということを知り、教師の基本は「聞くこと」だと再確認できました。
また、大学でも教師と学生、学生同士のかかわりを大切にした授業に挑戦されていて、制約のある中でも工夫することで、協同的な学びを生み出していることを知りました。その手法は、小中と比べて制約の多い高校でも使えるもので、なるほどと思わせるものです。

この本は手作り感が強く(悪く言えば、校正ミスや編集の未熟さが目立つ)、各章ごとのばらつきも大きいのですが、協同的な学び(協同の学び)に取り組むもうとしている方には、小さなヒントがたくさん手に入るのではないかと思います。日ごろ自分が目にしない世界にも学ぶことがたくさんあることに気づけるだけでも読む価値があると思います。