日記

フラッシュカードの利用のポイント

公開日
2013/09/04
更新日
2013/09/04

授業ワンポイントアドバイス

教室への電子黒板やプロジェクターの普及もあり、デジタルのフラッシュカードの活用も増えてきました。デジタルとアナログの比較も合わせて、フラッシュカードの利用のポイントについて考えてみたいと思います。

フラッシュカードを利用する時に大切になるのがそのめくるタイミングです。子どもたちがすぐに答えられるような問題であれば、集中力を落とさないように速いテンポでめくって次々子どもに答えさせることが必要です。
一方、英単語を覚えるような場面であれば、最初は教師が読んでその後を子どもが繰り返すことになります。全員が覚える(理解する)ためには、1枚のカードを何度か読むことも必要です。この時はわからない子どもが理解する時間を確保するために、少し間を置くことが必要です。1回り終われば、次は少しテンポを上げます。子どもが覚えたと思えば、教師が言わずに子どもだけで答えさせます。教師は、全員がきちんと言えているかどうかを確認することが必要です。言えてなければ何度も繰り返します。友だちの声を聞くことで、繰り返せば必ず全員が言えるようになるはずです。
このように、タイミングをコントロールすることと同時に全員が言えているか確認することが大切になりますが、紙の場合はカードを持つ位置が重要になります。時々目の前にカードを持ってくる方がいますが、これでは子どもを見ることができません。声の大きさだけでは全員の口が開いているか確認できません。頭の上か、顔の横に持ってくるとよいでしょう。
デジタルのフラッシュカードを使う時にも、いくつか気をつける点があります。ワイヤレスマウスやタブレットPCでコントロールすれば、タイミングの調節がしやすくとても使いやすいのですが、有線でつながったPCで操作することになると、これがとても難しくなります。子どもを見る余裕もなくなります。かといって一定のタイミングで切りかえるように設定すると、子どもの実態とずれてしまうことになります。また、デジタルのフラッシュカードの場合、教師が次に何が出るか覚えていないと子どもと一緒に画面を見ることになります。よほど素早く見ないと子どもの実態を把握できないのです。この点タブレットPCは視線の移動も素早くできるので、フラッシュカードを使うのに適しています。紙であれば、手前からめくって前に出すことでカードの裏を見ることができるのでこのような問題は起きません。

全員が理解できているか確認するために、一人ずつ指名したり、列で順番に指名したりすることがあります。適度な緊張感を与えるのによい方法と思えるのですが、誰かが指名された時点で弛んだり、列指名であればその列以外の子どもは集中力を失くしたりします。このようなことを避けるために、誰を指名しても必ず続いて全員が答えるようにするという方法もあります。こうすると、友だちの答を確認しようとするので集中が切れません。また、もし指名した子どもが間違えても、全体の答を聞かせたあと再度指名すれば自分で修正できるので、教師が間違いを訂正しなくて済みます。リズムを崩さずに続けることができます。

アナログの持つよさに、使ったカードをそのまま黒板に貼って利用できるということがあります。カードを子どもたちと一緒に、規則動詞と不規則動詞に分けたり、使った性質やルールで分類したりしながら貼っていくのです。また、紙であれば、単語の変化(活用)したところに線を引くなど、直接書き込むこともできます。次に使う時にまた作り直す必要があるので、ちょっともったいない気もしますが、今、練習したばかりのカードを使うことでよりわかりやすくなると思います。デジタルのフラッシュカードでも、電子黒板やソフトによっては書きこむことができますが、分類して同時に表示したり、動かしたりしながらの作業は紙ほど簡単にはできません。

フラッシュカードは子どもたちの知識の定着や練習量の確保に有効な道具です。デジタルやアナログの特性も理解した上で、上手に使ってほしいと思います。