日記

個から始めるのか、全体で取り組むのかを考える

公開日
2014/12/04
更新日
2014/12/04

仕事

小学校で終日授業アドバイスをしてきました。この日は低学年を中心とした個別アドバイスと、全体に対してのアドバイスの時間を取っていただきました。

基本的に子どもたちは落ち着いています。前回訪問からそれほど時間は立っていないので大きな変化があるわけではありませんが、子どもたちを受容することや子どもたちが互いに聞き合うことを大切にしようとする姿勢が感じられました。しかし、その実現については学級差を感じます。子どもとの関係に苦労している学級も目にしました。個々の学級のよさが学校全体のものになっていません。授業研究などを通じて、気軽に授業について話し合う雰囲気をつくることで互いのよさを共有するとよいと思いました。

一方、発問や授業の進め方、教材研究といったことについては、甘いと感じる授業が多くありました。特に気になったのが、目標や評価を教師自身が意識していない活動が目立ったことでした。当然子どもたちにも目標や評価の基準は明確になっていません。活動そのものが目的となり、よく言われる「活動あって学びなし」となってしまいます。また、目標がある程度明確になっていても、その達成のために何が必要なのかを意識していないため、子どもがうまく活動できない場面も目にします。例えば、「資料を見て気づいたこと」と問いかけても、子どもの活動はシャープになりません。資料から気づくためには、資料には何が書かれているかを確認したり、○○と比較するといった視点を明確にしたりすることが必要です。どのような視点を持つ必要があるのか、それは教えるのか気づかせるのかといったことを意識して授業を組み立てる必要があるのです。
今回は、このような子どもの活動に関することについて、全体に対してお話をさせていただきました。

「個々の教師を伸ばすことから始めるのか」「学校全体で取り組むことを明確にして推し進めるのか」といった方向性を学校としてはっきりさせることが必要だと感じました。前者であれば、「個々の教師の成長を全体のものとするために、共有する場面をつくる」、後者であれば、「4月のスタート時点で今年度学校として取り組むことが具体的になっている」ことが必要になります。このようなことを校長にはお伝えしました。
どのような判断をされたのか教えていただく機会を楽しみにしています。