小学校の外国語活動の今後を考える
- 公開日
- 2015/01/06
- 更新日
- 2015/01/06
独り言
小学校の外国語活動は、「音声を中心に外国語に慣れ親しませる活動を通じて、言語や文化について体験的に理解を深めるとともに、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成し、コミュニケーション能力の素地を養うことを目標として様々な活動を行う」ことになっています。「慣れ親しむ」「言語や文化の体験的理解」「コミュニケーション」がキーワードです。英語の力をつけることが目標とはなっていません。英語が専門でない小学校の先生方が教えることを考えれば妥当なことだとは思います。その一方で、実践的な英語力を子どもたちにつけるということが盛んに言われています。外国語活動の時間を下の学年でも必修化することや、教科化も打ち出されています(文部科学省「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」参照)。
現在行われている外国語活動の授業の多くは、とにかく子どもたちが英語を使ってゲームやアクティビティをすればよいというものです。英語力をつけるという視点で見れば、あまり効果があると思えないものがほとんどです。英語を使うというだけで、子どもたちの精神年齢からすればあまりに幼稚なゲームを行うために、外国語活動の時間をばかばかしく感じる子どもも出てきます。中学校に入った時点で英語嫌いになっている子どもも結構いると聞きます。
これまでの外国語活動の時間は、とりあえず小学校で英語を扱うという既成事実作りだったように思えます。「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」を見ると、小学校高学年では、そのねらうところが、将来的に英語力をつけるための基礎を身につけることに変わってきています。授業の担当者も含めて、その内容も大きく変わることになるのでしょう。多くの自治体で、「慣れ親しむ」「言語や文化の体験的理解」「コミュニケーション」を意識した英語活動のカリキュラムを多くのエネルギーをつぎ込んで、独自に作成しました。現場の先生からすると、せっかく外国語活動の授業に慣れたのに、また新しい流れに対応することが求められます。そろそろ、中途半端に現場に任せるのではなく、小中高を通じて一貫した英語教育のカリキュラムを明確に提示することが必要だと思います。
現場の先生方に大きな負担なく、子どもたちに英語力がつくようなカリキュラムが組まれることを願っています。