令和7年6月15日（日）、渡辺道治先生をお迎えし、「学校づくりや授業づくりの基本」をテーマにご講演いただきました。

　巧みな話術と、日々あらゆる情報を鋭くキャッチする“アンテナ力”に圧倒される、濃密で贅沢な時間となりました。特に印象的だったのは、参加者の興味関心を引き出しながら内容を自在に組み立てる、まさに“プロの技”とも言える「お品書き」のスタイル。テーマを委ねられた私たちは、受け身ではなく、能動的に学びへと引き込まれていきました。

　講演の冒頭では、ヨーロッパ講演から帰国されたばかりというタイミングも相まって、現地でのエピソードを交えながら、会場の空気を一気にあたためてくださいました。笑いと納得が同居する「つかみ」に、多くの受講者の表情が一瞬で和らぎ、集中の眼差しへと変わっていったのが印象的でした。

　講演前半では、「教師としての在り方・生き方」について、日々の所作や姿勢に至るまで深く問い直す内容が語られました。つい流してしまいがちな一瞬の判断や態度が、子どもたちにとってどれほどの影響をもたらすか。背筋が自然と伸びるような、静かに胸を打つ時間でした。

　後半は、「学級びらきの極意」「作文指導の極意」「運のつかみ方」といった、実践的かつ即効性のある知見が次々と語られました。どの話題も、翌日すぐに教室で子どもたちに伝えたくなるエッセンスに満ちており、「きっと子どもたちの笑顔が見られる」と確信を持てる内容ばかりでした。

　本気で教師という職業に向き合って生きること、真剣になること、その尊さと勇気を、私たちにもう一度思い出させてくれるような講演でした。

　渡辺先生、参加してくださった先生方、本当にありがとうございました。